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from: モトパシアさん
2012年05月11日 10時17分47秒
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定住型プナン族でも!
ボルネオサラワクの奥地クラビット高原について幾つかお話させて頂きました。その中で移動型のプナン族について、或いは少しだけ定住型プナン族について触れまし
ボルネオサラワクの奥地クラビット高原について幾つかお話させて頂きました。その中で移動型のプナン族について、或いは少しだけ定住型プナン族について触れました。プナン族は太古の昔から森の中を移動しながら生活してきたボルネオでも異色の民族です。一ヶ所で住居を構えると、そこで狩猟をして、サゴヤシを採り、果物や山菜を採ります。めぼしい収穫がなくなるとまた別の場所に移動して住居を構えます。
彼らは通常、血縁関係にある五世帯から八世帯、三十人ぐらいで一つの集団を作ります。そして、一つの場所に、二週間から一ヶ月間しか滞在しないと言われています。
ところで定住型プナン族も、このクラビット高原の個々にに点々と居住を持っていました。現在はまたそれらを幾つかの居住部落に集めて暮しています。
クラビット高原の中心的なところ、バリオやバリオ高原はもちろんクラビット族がほとんどですが、カヤン族やクニャー族、プナン族も周辺奥地にいます。ですが、こちらから移動して行かないと会うことがめったにありません。
ところが、この日バリオでプナン族に会いました。写真の家族がそうです。このバリオ高原にある彼らの一時居住といわれる場所に立ち寄り、そして2日間かけてこの高地の熱帯雨林を抜けて彼らの定住部落に帰るとの事でした。定住していてもジャングルは彼らにとって一番大事なところ、無くてはならない宝物です。現在でも採取狩猟も時期的には行なわれているそうです。
海バジャウ族から海は引き離せる事が出来ないと同じく、政策的に定住させられているプナン族もジャングル、あの海のように広がるクラビット高原の熱帯雨林から引き離す事ができません。
ボルネオの大自然と育んで来た彼らの精神は本当に純粋無垢です。家族を愛し、夫は妻や子供を本当に愛し守り養います。ある時は自分の命をかけてもです。妻や子供もまた従いお互い協力し合います。それは海バジャウ族もプナン族だけでなく他の部族にも共通しています。
昔は当たり前にこの日本でも見られた精神です。当たり前だった社会や家族の生き方でした。しかし、ボルネオのこれらの姿を宝石のように輝いて目に映るのは私だけでしょうか!
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潜酔士、
from: モトパシアさん
2012年05月12日 09時29分51秒
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「Re:Re:定住型プナン族でも!」
潜酔士さん、貴重な体験をお聞かせ下さって感謝致します。プナン族が現在社会に登場し知られたのは、最近の事です。20世紀も終り始めた頃、日本がバブル期の頃でした。サラワクの奥地での森林伐採が頻繁に行なわれた頃、森林道の木材運搬トラックの前に集団で立ち、運搬を阻止しようとした事から存在が知られるようになりました。このニュースは世界中で話題になりました。
私も、1995年に思いがけなくジャングルの中で遭遇しました。それから2週間同行を許され彼らと共に生活をしました。後にも先にもない貴重な体験でした。彼らの持っている吹き筒と吹き矢は以前「プナン族の狩猟」で紹介させて頂きましたが、まだご覧になっていない方々のためにもう一度紹介致します。(写真は現在のプナン族です。)
プナン族は採取狩猟民族です。男達は、朝早くから狩猟に出かけます。方法は?「コラプット」と呼ばれる吹き矢を使います。この矢の先に毒が塗られていて、命中したらどんな動物でも死にます。
この吹き矢を吹く吹き筒を作るのには、とても大変です。
素材になる木は、「マングリース」や「ベリアン」と呼ばれる硬い材質のものです。直径は少なくとも1m以上で実際に必要なのは、木の中心部です。
素材は、木が大きければ大きいほど、硬ければ硬いほど良いとされています。
これを2週間もかけて中央に穴を開け、周囲を削いでいき、握り口の方が太く先端に行くほど細くなるように仕上げます。そしてヤスリがけをしますが「ウディムダン」と呼ばれる樹木の葉でします。
この葉の裏には硬くて小さいトゲが無数に付いていてちょうど紙ヤスリの代わりになります。
この筒に反りがある場合には、立ち木に数日間くくりつけ慎重に反りを直していきます。
最後には、この吹き筒の先端に「パロー」と呼ばれる菱形の小刀を付けます。吹き筒は長ければ長いほど、正確で威力が増しますが、それだけ肺活量と支える腕力が要ります。だから、女性や子供は、全長1m未満を使います。
吹き矢の先に塗る毒は、「タジャム」と呼ばれていて、ツル性植物のイポーの樹液から作られます。このイポーの幹の部分を削って細かく砕いて出て来た白い液を煮詰めて黒いタール状になると出来上がりです。
イポーの樹液は、アンチアリンと呼ばれる成分が含まれており、心臓の働きを麻痺させる効果があります。プナン族もこの毒に対する解毒方法を知らないので、もし誤って刺してしまったら、その部分を素早く切り落とすしかないのです。だから、どこのラミンでも子供の手の届かない高い所に置いています。
矢は、狙う獲物によって使い分けがされています。鳥やイタチなどを狙う時は、「タハッ」と呼ばれる一本の真っ直ぐな矢です。大きなものは、「ブラッ」と呼ばれる矢で、刺さった後簡単に抜けないように先端に引掛り鍵が付けられています。矢の後ろには「プノ」と呼ばれる植物が吹き筒の太さに合せて風圧受けとして付けられています。
この矢の先端部分に意図的5ミリおきに小刀で切り込みを入れています。なぜなら、矢が命中した動物が逃げる時、矢が折れやすくするためです。毒の塗られた矢の先が獲物の身体に確実に残すためです。
プナンの男達は、吹き矢を二、三十本、竹筒に入れて腰にぶら下げて狩に行きます。狩は大変な体力と集中力を要します。一番重要な事は、自分の姿を相手に悟られないように見つけて近づく事です。狩ができるか出来ないかの術です。
プナン族は、獲物が出没している場所をよく知っています。この場所にさしかかると足音を立てずに辺りを窺がいながらゆっくり歩きます。狩の達人が「目で見ようと思うとだめです。風の音、木が揺れる音を聞くことが大事です。耳をすませば獲物の方から、私はここにいますよと教えてくれます。」と語りました。
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