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from: モトパシアさん
2005年08月22日 13時46分29秒
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熱帯雨林の植物の生態の不思議 ①
以前にマレー半島のゴム(パラゴム)のプランテーションの林が日本の白樺林に思えた事を話しましたが、ボルネオ(他の熱帯地方も)の山林を見て日本の秋から冬にかけての景色に見える時期があります。
いつでしょうか?なかには分かった人がいますね。それは雨季が終わって乾季に入ってしばらく経った頃、木々が葉をふるい始めるのです。もちろん落葉樹じゃありません。常緑樹なんです。
その姿は、暑さを差し引けばまるで高知のような日本の温暖な地方の冬景色です。・・・こんな解説では、な〜んだつまらない!となりますが、ここからの私の話は少し味があるんです?
どうして樹木は、葉をふるうんでしょうか?葉の更新はもちろんですが、葉がなくなると生長を止めるからです。ですが日本では寒くなって生長が止まる(大まかに言って)のに熱帯地方は充分温度があるんじゃないかと思われる人もいるかも知れませんね。
タネを明かすと全てが全てとは言いませんが熱帯地方の植物は、雨季に生長し乾季に休眠するのです。
(ここからですが)植物は生長するため養分を取ります。どのように?根から水分と一緒にそれに溶け込んだ栄養分を吸収します。どのような仕組みで?葉の裏にある気孔と呼ばれるところを開いて水分を発散する事によってです。この気孔は炭酸同化作用(光合成)や呼吸作用をしています。ですから高温で雨が降らない状態が続くと植物の体内の水分が減り最悪枯死します。そのために水分が出て行く場所である葉を断ち切るのです。落葉し日本の秋や冬の景色になるのはそのためです。
(ここで終わるとメインディッシュなしの食事です。スキヤキ料理で美味しい牛肉を食べないのと同じですので)
もう一方、CAM植物と呼ばれるものがあります。蘭の仲間にも沢山ありますし、サボテンや観葉植物として飾られているものもあります。このCAM植物は、乾季も葉を落とさずにがんばっています。どのようにしてですか?先ほど言った葉の裏の気孔を昼間はじっと閉じて夜間に開くのです。そうです!炭酸同化作用や呼吸作用を夜間に行なっているのです。どうしてその方が良いのか?
夜間になると、もちろん日光が当らなくなるので気温が下がります。気温が下がると湿度が高くなります。ですから気孔を開いても体内の水分の発散が少なくてすみます。梅雨時になかなか洗濯物が乾かないのと同じです。
ジャングルや山岳地は夜間は雲霧と呼ばれる状態になり気温がさがり湿度が高くなります。植物達にとって好環境です。一方街中の公園や庭先の植物達は、辛い環境にいます。同じ熱帯なのに場所が違うだけでなぜ?先ほど言った気孔の呼吸作用にその答えがあります。炭酸同化作用は、炭酸ガスを吸って酸素にかえます。そして同時に養分である炭水化物を生産します。逆に呼吸作用は酸素を吸って炭酸ガスを出し養分である炭水化物を消耗します。これらを同時に行なっています。気温が高ければ高いほど呼吸が活発になり、水分の消耗、エネルギーの消耗が激しくなり、ある時点で同化作用よりも上回ります。これが弱る原因になるのです。ですから夕方散水し植物に水をやり、同時に周囲の温度を下げてやるのです。
これらを考えると皆さんのお宅で植木や鉢物の一番管理の難しい暑い夏場に応用してみては如何ですか!
熱帯地方の動物や植物には色々とそれぞれの工夫が見られます。それらを学んでみませんか!-
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