キナバル山と他のサバの魅力を語っていく時、どうしても皆さんに一番に伝えたい事があります。隣のマレーシアボルネオのサラワク州でも同様のことでしたが、そこに住む人々の思いやりや優しさを抜きにしてボルネオを語れないのです。
何度か傷心な気持ちのままサバを訪れた事があります。正直に言って先の見えない気持ちのまま訪れた事もありました。もう日本へは戻りたくない、戻る勇気もないような状況で訪れた時もありました。がいつもボルネオに住む優しい人達によって励まされ、これからの人生を歩んでいく力や勇気を頂いてきました。皆が皆そうじゃないかも知れませんが、少なくてもボルネオでの私の周囲の人達は、自分自身のように相手の悲しみや痛さを担ってくれました。そこまで心配しなくていいのにと思うほど。「あなたが本当に可哀想だ！私も悲しいよ！」と何度となく言ってくれました。
思った以上に純粋に気持ちを表します。だから、私は逆に早く元気にならないといけない思いをしましたし、ともかく元気になったふりをしました。がいつの間にか元気や勇気をもらいました。彼らには本当にもてなしの精神があります。案内してくれた先を私が気に入って感謝したら、それ以上に喜んでくれます。出してくれた食事を喜んで戴いたら、私以上に喜び安心してくれます。「ウルルン」ではないけれど別れの時は、再会を固く約束していても今生の別れのようになります。そんな人達がボルネオの人達なんです。サバの人達なんです。
海や山の大自然の宝を持ち合わせているボルネオ・サバですが、やはり魅力は人です。「鉄は鉄によって磨かれる」と言いますが、「人は、人によって磨かれる」ですね。どうかボルネオで、そこに住む人に接して私の言っている事が本当かどうか確めて頂きたいです。
人が魅力のボルネオ・サバで、これからその各地の魅力を紹介していきます！