インド北東部にメガラヤ州というところがあります。ブータンの南にありバングラデシュと国境に接しています。このメガラヤには「雲の住みか」という意味があり州都はシロンといいます。ここから南へ遥か行ったところにチェラプンジという標高１３００ｍの町があります。周辺は自然豊かで約３００種の蘭科植物やウツボカズラや多種多様の野生動物の生息地です。まるでボルネオに似ています。
このチェラプンジは、１８６１年７月に９３００㍉の月間降水量を記録しました。１８６０年８月１日から１８６１年７月３１日の１年間で２万６４６０㍉に達した記録が残されています。ここは、年間１８０日雨が降りますが６月から９月にかけてが多いです。しかし、観光客が日中土砂降りの雨にあう事があまりありません。なぜなら雨はほとんど夜降るからです。
ボルネオも同じですが、熱帯地方では、太陽の熱で海水の温度が上がって大量の水蒸気が発生して大雨が降ります。海洋から吹く湿った空気が山脈に当り上昇を余儀なくされて雨が降りますが、このメガラヤ高原は日中、熱帯の日差しをまともに受けるため発生した雨雲は日が傾いて空気が冷えるまで高原の上空を漂っているのです。
これほどの雨量ですので、水不足に悩む事がないと思いますか？ところが冬期にはしばしば水不足に合うのです。周辺の森林破壊が進んでいるため水を保水する能力が少なくなったためだといいます。
ボルネオも雨の豊かなところです。奥地の高原は、やはり夜に雨が降ります。バリオなど私が経験した雨量では時間３００㍉以上も降った事があります。しかし、森林破壊が進むとどうなるでしょうか？保水性だけでない問題もあります。
９００ｍ以上の高地に生い茂る湿潤な熱帯雨林は、「降雨量より最大４０％も多い水分を雲から」絞り取るといわれています。低い雲や霧が常に森林の中を漂い、樹木の表面で凝結して、幹伝いに、或いは滴となって地面に落ち、やがてそれぞれの河川に流れ込んでいきます。ですから森林が伐採されると地表に達する水分が激減します。
いつまでも緑豊かなボルネオや他の熱帯雨林を大切に守り育てていきたいと思いませんか！私の好きな蘭や鳥や動物達！それ以上に大好きなそこに住む人達のためにも、或いは地球全体の環境として考え対処していかなければならない問題だと思います。