蘭という植物に興味の無い方には、大した画像ではないでしょうが、世界中の蘭マニアにとって、それはそれは貴重な写真と言えます。
パフィオペディラム・サンデリアナムの花は、とても興味深い変わった姿をしています。花弁の内弁にあたるペタルと言う左右の二ヶ所が非常に発達していてそれぞれ９０ｃｍ前後にまで長く伸び下垂します。一般の方がご覧になるととても奇妙で恐ろしいようなまでの花なのです。

発見から約100年の間、自生地ばかりかサンデリアナムの株そのものまで幻の蘭として長く語りつがれてきました。遠い過去に世から失われた恐竜を恋慕する古生物学者やマニアのように、蘭研究者や蘭愛好家にとってこのパフィオ（パフィオペディラム）・サンデリアナムは、まさに憧れのロストワールドでした。それが、再発見されたのです。場所はコメントを差し控えますが、ボルネオのマレーシア・サラワク州の奥地です。

私自身、再発見されて世界に発表される５年前に自生地を確認していました。現在その地も乱獲され、寂しいかぎりですが、私はまた新たな自生地を数ヶ所発見しました。
その発見した地域で一ヶ所だけ数百ｋｍ離れた場所のものは、ペタルがはるかに長く、別種かも知れない特徴も幾つかありました。
いつか、またこのサイトに発表したいと思います。

写真は石灰岩に着生したサンデリアナムです。