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  • from: モトパシアさん

    2012年02月07日 18時57分53秒

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    クラビット高原の珍しい植物


    写真は、Nepenthes lowii(ネペンテス・ローウィ/ウツボカズラの仲間)です。

    食虫植物のネペンテス・ローウィ(Nepenthes lowii/Nepenthesは属名です。その後のlowiiが種名ですが、小文字で始まっていますので原種です。交配種であれば大文字で始まります。)を紹介致します。

    このローウィは、ボルネオの限られた山にしか自生していません。
    キナバル山、トラスマディ山、ムル山、ムルド山といういずれも2000以上の標高の高い山です。しかも、各山によって多少の変異がみられます。この写真をご覧のようにクラビット高原のムルド山のローウィは袋の中の紅色がとても綺麗です。標高が1800mを越え2000くらいになると多く見られます。

    ローウィは、ネペンテス(ウツボカズラ)の中で一番の人気者です。世界中の愛好家の衆望の逸品です。ご覧の様にネペンテスの仲間でも独特の形をしています。如何ですか?まるで便器の形をしています。面白いですね!袋の中の紅色と外部の緑とのコントラストは素晴らしいです。ですが、栽培は日本ではとても困難です。夏に暑がります。北海道でも夏期にエアコン無しでは難しいでしょう。同じ仲間のラジャ、キナバルエンシス、ビロッサなどと同じく現地でしか観賞しなければいけない、観賞できない貴重な植物でしょう。

    もう一度このローウィの袋の形をご覧下さい。通常のネペンテスは、昆虫や小動物をこの植物から分泌される糖の一種の香りに誘引されて、近付き、そして誤って袋の中に落ちるようにして這い出せなくし、袋の中の分泌物の消化酵素、或いはバクテリアなどで分解して栄養分を取り込みます。しかし、このローウィは袋の口が非常に狭く虫が入り難そうです。ではどうやって栄養物を取り込むのでしょうか?

    このローウィの袋の前の部分に注目して下さい。広くてまるで便座のようです。それにつるつるしています。蝋で塗ったようです。この便座の部分の先に蓋(ふた)のような部分がありますが、分りますか?この蓋に付いている糖を舐めに小鳥たちがやって来て、この便座の部分にとまり、その時この便座のつるつるしたところに糞などの排泄物が落ち、狭い口を通って袋に流れ栄養物となるのです。

    ですから、ローウィの袋(正確には捕虫袋)はやはり便器なんですね!(笑)また人によって見方も変わるようです。和名はシビンウツボカズラと呼ばれています。ローウィには可愛そうなくらいの名前ですね。

    クラビット高原にはまだまだ興味深いものが沢山あります。

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