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from: モトパシアさん
2012年02月10日 17時14分53秒
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クラビット高原の珍しい植物 ④
写真は、パフィオペディルム・サンデリアナムです。
クラビット高原はボルネオ・マレーシア・サラワク州の奥地のインドネシアの東カリマンタン州の国境付近に広がっています。この地域から西の方角に、正確に言うと西北西に僅かに離れたところにムル国立公園があります。このムルにはムル山(標高2,375m)がありやはり動植物の宝庫です。この地帯も石灰岩で出来た地域ですので、それは数え尽くせないほどの大小の鍾乳洞があり、いまでは世界中から観光客や動植物の愛好者が訪れています。
ところで、このムルは世界中の蘭愛好者を驚かせた場所です。1885年に英国のサンダー卿が派遣したフォエルスターマンによって発見された蘭の自生地なのです。Paphiopedilum sanderianum(パフィオペディルム・サンデリアナム)です。ところが、この蘭が当時のヨーロッパで発表されてすぐに消息が絶えました。北ボルネオが原産とだけで数種の品種と交配が記録されるだけで世界の舞台から消えてしまいました。
その後、何度となく調査探索されましたが、それ以後この蘭は再発見されることなく約100年間表舞台から忘れたものとなっていました。しかし、1980年代の始めこのムルで再発見されました。大騒ぎでした。当時は今ほどしっかりとした公園管理ができていませんでしたから、乱獲され絶滅寸前までになってしまいました。
それほどまでの魅力ある蘭です。この花のペタルと呼ばれる部分が長く垂れ下がり長いもので約1mくらいまで垂れ下がります。これが2本下がりますので、ある意味では世界最大の花と言えます。あのラフレシアどころではありません。
このサンデリアナムはボルネオのどこにもある訳ではありません。世界中でこのボルネオ・ムル山のある地帯しか自生地ではないのです。そう私もしばらくの間、疑いも無く思っていました。
今から15年前、そのムル山から東へ約60kmのクラビット高原の北端のサラワク最高峰山のある谷で発見しました。石灰岩が侵食された谷で、岩壁に着生した、言い換えればへばり付いたように自生していました。ここのサンデリアナムはペタルがさらに長く、長いもので約1,5m
はあります。当時の私にとって古生物学者が、ジャングルで生きたチラノザウルスに出会った感がありました。-
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