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from: モトパシアさん
2012年05月17日 10時37分06秒
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ボルネオの珍しい植物の一つ・ラフレシア
ボルネオで珍しい花は何ですか?と言われて、すぐ答えられるのは、おそらく「ラフレシア」ではないでしょうか!世界最大の花としても有名ですね。大きなもので花の直径が1m近くありますが、意外と知らないことだらけです。
今日は、ラフレシアについてのほんの少しお話させて頂きます。
ラフレシア(Rafflesia)はボルネオ島だけでなく東南アジア島嶼部やマレー半島に分布しています。
ラフレシア科ラフレシア属の寄生植物で、十数種の仲間があります。多肉質の大形の花をつけるものが多く、中でもラフレシア・アーノルディ Rafflesia arnoldii (日本語で「ラフレシア」と呼ぶ場合、たいていこの種を指す)の花は直径90cm程にも達し、「世界最大の花」としてよく知られています。この花の花粉を運んでいるのは死肉や獣糞で繁殖するクロバエ科のオビキンバエ属などのハエなのです。ですからこの花は死肉に似た色彩や質感のみならず、臭いも動物の排泄物や汚物に似た腐臭を発し、送粉者(ハエ)を誘引するのです。
ラフレシアの名前は、シンガポールの建設者でイギリスの植民地行政官であるトーマス・スタンフォード・ラッフルズの名前にちなんでつけられました。1818年に東インド会社の副総督としてスマトラに赴任したラッフルズは博物学者のジョセフ・アーノルドとともに内陸部を探検し、ラフレシアを発見、その標本と記録がロンドンに持ち帰られ、ヨーロッパの学会で紹介されました。
興味深いのは、調査隊がこの植物を最初に確認した1826年当時はまだ知識があまりなかったため、この花を見て葉も無く茎も無く根もなく土の上にポッコリ咲いた花姿から同行したメンバーは「人食い花ではないか?」と恐れたましたが、ラッフルズはそんな迷信を恐れず、花に触って無害である事を証明したと言われています。調査探検に同行した博物学者のジョセフ・アーノルドが、スケッチ・観察・標本などを作り近代植物学の世界に紹介、学名はこの2名にちなんで献名されRafflesia arnoldii(ラフレシア・アーノルディ)と名付けられました。
ブドウ科植物の根に寄生します。本体は寄主組織内に食い込んだごく微細な糸状の細胞列からなり、ここから直接花を出してきます。茎、根、葉はないことは先ほど述べましたが、花は雄花と雌花に分かれています。
雄花の葯からは粘液に包まれてクリーム状になった花粉が出て、花の奥に入り込んだハエの背面に付着して、このハエが雌花に誘引されて花の奥に入り込み、雌しべの柱頭に背中が触れると受粉が成立するのです。
このラフレシア、発見されてからすでに190年以上になりますが、未だ分らない事が多く、人口栽培にはほとんど成功していません。また、蕾みから開花まで10ヶ月以上かかるのに開花している期間は1週間もなく(花芽から開花まで2年かかるが、花が咲いたら約3日で枯れてしまうので)、観察するのが非常に難しく幻の花なのです。
是非ボルネオに訪れたなら、ラフレシアの開花状況を常に確認している各センターへ訪ねられることをお勧めします。運が良ければガイドが最も近い場所に案内してくれるでしょう。あなたが植物に興味があっても、なくてもきっと感動ものだと思います。約190年前に標本をみて驚愕したヨーロッパでの出来事を、原生地で本物を見て感動するでしょう。(写真はラフレシア・アーノルディ)-
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