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from: モトパシアさん
2020年03月26日 18時08分52秒
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ボルネオの自然探索にあたって絶対にフタバガキを知っておこう。
以前にボルネオの不思議な現象で、ヒゲイノシシのムシン・ブラナン(ヒゲイノシシの川渡)を紹介致しました。4,5年に一度、大量発生し多い時は数十万頭に及ぶ群れが川を渡るのです。なぜなら、その主たる原因がこのタイトルに書いているフタバガキが原因です。このフタバガキはボルネオの動物、植物はもちろん、ボルネオの環境や土質を支える一番の主役です。
ボルネオの熱帯雨林には、多種多様な植物が繁茂しています。その中で一番多いのがフタバガキの仲間です。フタバガキも種類が多く、ボルネオには約270種あってボルネオの熱帯雨林の骨格的な存在です。
このフタバガキは、その種類ごとに4,5年に一度の割合でいっせいに開花するのです。また、他の植物も同調して開花して果実をむすぶのです。この時期にジャングルに住んでいる動物たちは、とても食べきれないほど果実を手に入れることが出来ます。ですから、フタバガキは、ボルネオの宝物ですし、主人公です。
このフタバガキについてまだまだ、特筆すべき知られざる取って置きの秘密をお知らせ致します。
熱帯雨林と言えば、他にアマゾンやアフリカがありますが、それらの地域に比べ東南アジア特にボルネオは、とても背の高い木で覆われています。フタバガキが多いからです。70mから90mにも達する種類もあります。
なぜフタバガキはそんなに背が高く成れるのだろうか?答えは、共生しているキノコや菌と関係しています。フタバガキの光合成によって作られた糖(炭水化物)をキノコに与え、代わりにキノコからリン酸など必須と言ってよいほどの幾つかの要素を頂いています。このことで、豊富な雨水も得てどんどんと巨木になっていくのです。
前述しました様に、フタバガキは時期が来ればいっせい開花します。蜂などの多くの昆虫に集まりやすくするためです。いっせい開花の現象は東南アジアだけのものです。
興味深い事に、この開花が間もなく始まることを察知して開花前から蜂などの昆虫がそれは多く集まり始めるのです。その巣作りも数えきれないほどです。
フタバガキの実をご覧になったことがありますか?果実にプロペラのような羽を着けています。まるで羽根つきの羽根のようです。プロペラの部分は花のがく弁で実が生長するにしたがって伸びてきます。
もうお分かりですね!フタバガキの実は熟すと落下します。が、しかし、プロペラのせいで真っすぐに落ちずに、くるくる回りながらあちこちに散らばり、出来るだけ遠くにばらまく工夫がされているのです。その飛んでいる姿をご覧になると感動しますよ。このフタバガキの羽根ですが、種類によって2枚、3枚、4枚5枚とあります。集めると色んな形があり自然の知恵が窺えます。
まだまだ興味深い事があります。数十メートル高木から落ちたフタバガキの実は、動物の好物です。前述の通り多くの動物の繁殖になくてはならないものです。落ちた実はかなりの確率で捕食されます。ですが、ここにも見逃してはならない自然の知恵があります。
地上に落下したフタバガキの実は、数日のうちに根を出して生長を速めるのです。ですから、根絶やしされることなく、幾つかの運の良い実が生長し熱帯雨林の環境が引き継がれていくのです。
このフタバガキの果実から昔からあるものが作られてきました。ボルネオ奥地のオラン・ウル族のクラビット族やサラワクの主要部族のイバン族では、保存のきく植物性のバターを作ってきました。このフタバガキは、カリマンタンやマレーシアでは、メランティーと呼ばれフィリピンではラワンと呼ばれ、建築材料や家具用材として多くを伐採され取引先の主要国として日本に送られてきました。-
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