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  • from: モトパシアさん

    2020年05月04日 18時10分24秒

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    クラビット高原の双峰・バトゥ・ラウィ・秘宝の一つ⑥

    先日の続きをお話させて頂きます。
    本当に幻の蘭とも言えるパフィオペディルム・サンデリアナム(Paph.sanderianam)を発見したのは、偶然のそのまた偶然の出来事でした。

    バトゥ・ラウィが視界に入り、しばらくしてから林道からバトゥ・ラウィを目指して細いトレイルに入りました。2時間ほど進んで、途中大きな谷川を渡り、それから小さな小川を数回、胸まで浸かりながら横切り植物探索を続けていました。蘭の仲間のカランセ、バルボフィルム、デンドロ、セロジネなど属名や品種名など分かるものや未だ見たこともない蘭などを見つけて、興奮のあまり自分の立ち位置を忘れがちになっていました。次の瞬間、「あ!またやられた!」、両足のあちこちから痛みが走り出しヤマヒルにかまれている事が分かりました。(以前にも初めてバリオへ来た頃にもバリオの北の山懐でも同じ目に遭いました。)

    ジャングルを少し上ったところにやや開けた木洩れ日のある明るい場所があるので、そこで着ているものをすべて脱ぎ丸裸になりなりました。見てみると体のあちこちにまん丸に膨れ上がったヤマヒルが噛みついていました。急いで防虫スプレーを吹き付けてました。ヤマヒルは地面に落ちていき吸っていた血を吐きながら悶えていました。

    その時、随分前に前述のバリオの北の山中でのことを思い出しました。「あの頃も同じ目に遭ったな」と思い出し、そして続いてその時の得体の知れないものに襲い掛かられたことも同時に思い出し、少し嫌な予感がしてきました。「まさか、同じことはないでしょう!」と自分に言い聞かせて谷川で体を洗い服を着てトレッキングシューズを履いていると、何かが私を見ているような感じがしました。と言うより狙われているようなと言った表現が適切かも知れません。
    すごい恐怖感がと共に辺りの静けさと自分の置かれた立ち位置とが時間を長く感じさせてくれました。

    その時、背後のジャングルの木々が大きく揺れ出し、まるで突風が吹いたようにその揺れが私の方に向かってきました。私は荷物を抱え谷川に飛び込み向かいの岸に着いてジャングルの中を走り登り、小さな尾根を越えて今までと違う分水嶺の反対側へ入りました。その間、約3kmでした。(後で調べてみました)。
    そこは獣道はあるが人跡未踏のジャングルでした。それから小さな渓谷に沿って下って行くと渓谷がだんだんと大きくなり白い岩肌(石灰岩)が視界に入る様になりました。そうです!この渓谷が植物界、そして蘭の秘宝と呼ばれるものと遭遇出来た場所だったのです。そのあらましはまた次回にさせて頂きます。

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