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from: wakaさん
2015/02/05 23:49:29
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from: クマドンさん
2015/02/01 15:16:03
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孤独のどん底
老いるとは、孤独なものだ。
父を見つめていてそう想った。
認知症が進行し、自分でも食事を食べられなくなってから、
父は、点滴だけでいのちをつないでいた。
日に日に痩せていくことが分かった。
早く母がお迎えに来てくれたらとも想うことがある。
それは、父が孤独のどん底だからだ。
私が傍に居て語り掛けたとしても、父の孤独はなくなるものではなかった。
父は、死を前にして、独りでその時間を生きねばならないからだ。
誰も父には代わってやれないのだった。
それが可哀想で、何ともいたしかたなく、父の頭を撫でていた。
骨と皮だけの腕でも、触わって手ごたえを感じられるのは、
やっぱり生きている証拠だった。
「大丈夫、大丈夫」と、まったく大丈夫でない息子が声をかける。
父の細くなった白髪を撫でてやれて本当によかったと、
今は想っている。
この孤独のどん底にいる父に対して、
私がしてあげられることは、傍に居ることだけだった。
それでも、父の孤独は消えはしない。
人は、何と向き合って生きているのだろうか。
意識が遠のく中で、父はどんな夢を見ているのだろうか。
人生を振り返るともよく言われている。
父の人生は、父にとっては幸せだったのだろうか。
してきたように人は死んでいくのかもしれないなぁと、ふと思った。
そしたら、私はろくな死に方ができないだろうなぁと、寂しくなった。