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from: クマさんさん
2005/03/14 20:45:48
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理想の父と現実の父
子どもの頃観た映画が、私の生き方の基本を創っている。
「アラバマ物語」
アメリカ南部のある田舎町に生きる弁護士のお話だ。
人種差別の激しい時代に、黒人の農民の弁護をこの父親は引き受けた。
グレゴリー・ペックが主人公だった。
息子はそのおかげで学校でいじめられた。
「お父さん、あんな黒人の弁護なんかやめてよ」
息子は父親に涙ながらに訴えた。
しかし、父親は偏見ゆえに無実の罪を着せられたこの黒人青年を見捨てられなかった。
裁判所では、孤立無援の状況の中で弁護した。
そのとき、父親が言った言葉がよかったのだ。
息子を慰めながら、
「人は、その人が履いている靴をはかない限り、その人の気持ちにはなれない」と。
私は、この父親がとてもまぶしかった。
正義を貫くその姿こそ、憧れの父親だった。
私の父といえば、毎晩酔っ払って、時には夜中に飲み友達を連れて帰って来た。
六畳一間に家族四人が布団を敷いて寝ていた時代だ。
私はたたき起こされ、私の目の前には寿司の折り詰めがあった。
それいらい、寿司の折り詰めが怖くなってしまった。
父親たちが飲んでいる間は、私と妹には寝る場所はなかった。
昭和30年代。そんな生活が普通だった。
だから、白黒テレビに映し出されたアメリカはとてもまぶしく感じられた。
私の理想の父親は、グレゴリー・ペックになった。
父親が、私の小学校の担任を連れてきた時は、悲しくて悲しくて泣いていたなぁ。
あれは小学校4年生の時だった。
しかし、しかし、である。
そんな人生の暗い部分を子どもの頃に見せてもらって、
私は、屈折しながらも、今はとても感謝している。
切なくとも生きている大人たちの臭いを、
私は、日常の生活の中で嗅ぐことができたからだ。
グレゴリー・ペックは、アメリカの理想の父であった。
しかし、私には、あの頃の飲んだくれの父が、妙に懐かしく、愛しいのである。-
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コメント: 全1件
from: natureさん
2005/04/03 15:22:14
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「Re:理想の父と現実の父」
小学校時代に担任が家庭訪問以外に家に来た時は、
とっても嬉しかったような記憶があります。
祖父が近くの山を案内したことも・・・
現在の子どもはどうでしょうか?
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