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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2007/01/29 22:23:24

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    おかんと僕と東京タワーを皆観ているかい?

    東京タワーというドラマを観ているだろうか?
    毎回泣けて泣けて仕方が無い。
    どうしてこんなに泣けるかというと、
    私も学生時代4年間東京で暮らしたからである。
    それも、あの北九州から出てきたリリー・フランキーのように、
    何も知らず、田舎者で、金が無く、コロッケを食べて生きていたからである。

    それなりに夢はあった。
    とにかく映画が好きだったので、東京で映画の舞台を観たかったのだ。
    新宿・銀座・池袋・映画で観た世界がそこにあった。
    北都映劇でみた日活のギャング映画に、
    そのネオン街は舞台となっていた。
    そこに燦然と輝いていたのは、憧れの象徴である東京タワーなのだ。

    ここへ行けばきっと何か魂に響くものが存在するはずである。
    山ノ下ではなく、東京に行けば・・・。
    夢は山の彼方へ飛翔する。
    このドラマの主人公のように、
    安アパートの一室、そこには小さな台所がついていた。
    テレビも電話もなかった。
    用事があるときは、母が下の大家さんに電話を入れた。
    便所は共同で、風呂も無かった。
    風呂屋はすぐ隣で、テレビが観たい時には風呂屋か、仲間の家に出かけた。

    母からは時々不定期に送金はあった。
    あとは自分でアルバイトをして食っていた。
    本当にどうやって食っていこうかという感じだった。
    土日に金が無くなり、バス代だけ残し、
    目黒のおじさんの家に行って、ご飯を食べさせてもらい、
    こづかいをもらって帰ってきたことが何度もある。
    そのおじさんが昨年の暮れに亡くなったのだ。
    あの頃はややせていたはずである。
    とにかく何処でも歩いて出かけた。
    乗り物に乗るためには、乗車賃を払わねばならぬからである。

    ただし、酒を飲む金は別であった。
    渋谷の屋台ですっからぴんまで飲んでしまい。
    祐天寺の我がぼろアパートまで何度も歩いて帰った。
    夜中にとぼとぼと歩くことは苦にもならなかった。
    金も無いことも苦にもならなかった。
    アルバイト代が入ると、
    土曜日の昼に蕎麦屋で天丼を食べることだけを唯一のご馳走としていた。

    そんな田舎者の私には、東京タワーは憧れの象徴だったのである。
    なぜこのドラマの題名が「東京タワー・・・」であるか、
    今夜よく分かった。
    あの時代、あの東京に生きていた私と同じ思いで
    東京タワーを見つめていた人が無数にいたのである。

    東京は、冷たかった。
    東京は、孤独だった。
    東京は、突き放した。
    だけど、東京で生きることを決めた。

    だから、故郷からの母親の電話が懐かしく、暖かく、切なかった。
    ドラマの母は、そんな電話をかけたくて、
    ガンに侵された甲状腺だけを取る手術を選択した。
    声帯を取られたら、マー君と話せないからである。
    徹頭徹尾子どもを愛する。
    親ばかでいいではないか。親ばかになれる親ほど尊いものはないのである。

    東京タワーの映像と、
    息子の初めてのイラストが掲載されている雑誌を買い占める母の姿と、
    電話での母の声に、涙が止まらなくなってしまった。

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