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from: クマさんさん
2007/09/27 05:05:44
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山小屋讃
山小屋が、わけあってしばらく休業である。
ちょうちんの灯りが灯らず、寂しい日が続いている。
山小屋が開いているのは、当たり前のことだった。
私は、行ける日にはちょっと寄った。
カウンターに座ると、常連の誰かが座っていた。
そこで話が盛り上がる。
どれだけの人とここで出会ったことだろう。
まだ20代の前半のとき、
私たち山男をこよなく可愛がってくれた主人に甘え、
よくこの店に来たものだった。
醤油屋さんのSさんは、自称沼垂の裕次郎。
私たちと意気投合し、サッポロビールをよくよくご馳走になった。
書家のK先生との出会いもあった。
私にとっては人生の師であり、救世主でもあった。
この人からも可愛がってもらった。
素浪人をしている時代、
よくいろいろな所へ引き回してもらった。
使ってもらえるありがたさ。
貧乏なK先生から、ご馳走になった数少ない男でもある。
今は亡くなってしまったIさんは、
韋駄天のIさんと呼ばれ、登山のエキスパートだった。
60代になってからも、その足の速さは変わらず、
「鬼殺し山岳会」として、毎週のように角田山に通い、
小屋で宴会を挙行していた。
カウンターの一番はし。
そこで、自前のお猪口で酒を飲み、いつも朗らかに笑っていた。
息子さんが自慢だった。
日本酒を5〜6本飲み、自転車で南高校近くの自宅まで帰った。
山小屋列伝を語ればきりがない。
そう言えば、この人たちの生き様を物語にしたら、
山小屋全集ができそうである。
山小屋とは、ただの焼き鳥屋ではなかった。
私にとっては、人生の道場であり、生涯の大学でもあった。
「学びに行く」
「謙虚に話を聴く」
「笑って、共感する」
学生の心得である。
ここではわがままからの喧嘩はご法度である。
山小屋に通って28年目の秋となった。
ちょうちんに灯りが灯らず、
私は毎日寂しい思いで、この店の前を通っている。-
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