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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2007/10/24 05:38:49

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    山小屋難民たちよ

    沼垂四つ角の山小屋が、しばらく休業している。
    残念ながら再開はまだまだ先の話であるようだ。
    この店先に赤い提灯が下がっていることは当たり前のことと思っていた。
    帰りにちょっと寄って、カウンターで一本お酒を飲めることは、
    それはごくごく日常的な出来事だった。
    カウンターで飲む、常連の親父たちとって、
    ここへ来て飲むことは、
    我が家に帰って飲むことと同じことだったのだ。

    しかし、先月から突然、お店が休みになった。
    店の入り口には、店主の文字で「当分お休みします」と書かれてある。
    なるたけこの店の前を通って通勤するようにしているのは、
    この看板が外されている日を楽しみにしているからだ。

    ただ今、沼垂では「山小屋難民」たちが、問題となっている。
    心のよりどころ。
    自分の居場所を失った親父たちは、
    行き場所を失くして彷徨っているのである。
    あの店にも行ってみた。
    この店にも顔を出してみた。
    でも違うのである。
    あのカウンターでにぎやかに飲んだ思い出は、
    何物にも代えられないものだったのだと、
    失ってみて、その有難さにみな気づくのだった。

    お土産だけやっているので、
    焼き鳥を焼いているIさんのために声をかけるようにしている。
    すると昨日は、懐かしいOさんがカウンターに座っていた。
    そこでこっそりと日本酒を飲ませてもらった。
    ひんやりと、ひっそりとした店内。
    本来ならば今頃は、私たちの馬鹿話と笑い声でにぎやかなのだ。

    このカウンターに向かって酒を飲み続け、
    Oさんは40年間。
    私は30年間である。
    私にとってこの店は人生劇場「山小屋大学」だった。

    バス停で待っていたら、自転車のNさんが急ブレーキをかけて止まった。
    彼も山小屋難民の一人である。
    そう言えば、難民たちは私の顔を見るたびに、店主のことを聞いてくる。
    「今度、駅前で山小屋会をやりませんか」
    「いいですね」
    「みんなどうしているか心配なんさ」
    「ちょうど今、店にOさん来ていたよ」
    「そうですか」
    Nさんは、いそいそと山小屋に向かってペダルをこいで行った。

    しばらく、山小屋難民状態は続きそうである。
    もう少ししたら、ばらばらに散った行方不明の難民たちの
    安否を尋ねねばならないようだ。

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