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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2007/12/06 22:34:03

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    Sさんとの出逢い

    昨夜、飲み会が会った。
    そのおかげで今朝は寝坊した。
    このページを更新できないときは、何かわけがある日なのだ。

    駅南の中華料理店で、飲み食べ放題だった。
    1次会で失礼したのは、山小屋へ行きたかったからだ。
    期間限定のこのお店には、できれば毎日でも通いたかった。
    明石通りを傘を片手に突っ走っていた。
    信号が青なので、走り出したバスと競争して走った。

    赤提灯は、すでに店の中だった。
    しかし、店内には明かりが灯っている。
    入ると、カウンターには誰もいなかった。
    9時半頃だったと思う。
    二階にはお客さんがいるらしい。
    「何だ、たった今Hさんが帰ったばかりだよ」
    Iさんが残念そうに教えてくれた。
    火曜日の夜、二人で一升五合の日本酒を飲んだそうだ。
    Hさんは、74歳である。

    私は、焼き鳥を注文して、一人で飲んでいた。
    すると一人の壮年の男性が入ってきた。
    椅子に座ると真っ直ぐに前を見ていた。
    「コンサートの帰りでね」
    「明かりが点いていたから寄ってみたさ」
    「だいしホール。よかったね。」
    初めてお会いする人だったが、その話の内容を聞くと、
    どうも私が本当はその夜に行きたかったコンサートに行ってきた人らしい。

    「よっかたですか?私はそのチェロを聞きたかったんです」と話しかけた。
    すると、かれの反応は視覚障がいの人そのものだった。
    「はい、とても素晴らしかったですよ」
    「私のバイオリンの先生から招待券をもらえたので行って来ましたよ」
    「バイオリンを弾かれるのですか?」
    「はい」
    その瞬間、私の全身に電流が走った。
    私が探していた人は、この人なのだ。

    実は、知り合いの奥さんから、この人の話を聞かされていた。
    視覚障がいのある人なのに、素晴らしいバイオリンを弾く人が、
    沼垂に引っ越してきた話だった。
    そして、彼はその人の申し出を快く引き受けて、
    沼垂荘で、地域の人のためにミニコンサートを開いてくれたのだそうだ。
    私は、その話を聞いてから、
    とにかくその人に会いたくて会いたくてたまらなくなっていた。

    そのご本人が、隣りに座っているのだった。
    「お会いしたかったんです」
    「そうですか」
    「念ずれば」
    「通ずるですね」
    二人でそれから音楽のことを語り合うことができた。

    この山小屋で、こうしてどれだけの人と出会えたことだろうか。
    小学校4年生まで沼垂小学校に通い、
    5年生からは県立盲学校に通い、
    6歳からバイオリンを続け、人の何百倍も練習し、
    音楽に一心に打ち込み、東京芸術大学に入学し卒業した。
    バイオリン一本で人生を旅した男Sさんは、
    確かにすごい人だと思った。

    念ずれば通ずる 本当だったと昨夜はつくづく思った夜だった。

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