浦和レッズは大善戦だった。
とにかく仕事を終わらせて、駆けつけた。
二階の狭いリビングで夕食を用意して、試合開始に備えた。
サッカーのためには、どんな苦労も辞さない覚悟だ。
実は、この試合のチケットを妻はインターネットで捜していた。
しかし、行けるわけは無いのである。
平日の夜、どうやって明日の仕事に間に合うように帰ってくるのか。

サッカーの試合は、我が家は四人で熱烈に観戦する。
ＡＣミラン、世界一流チームとレッズが戦っている。
それも攻守に果敢に挑み、互角の争いだった。
大声で歓声をあげ、レッズを応援した。
長男と次男は、ヨーロッパサッカーの選手の情報に精通していた。
二人の会話を聞いていると、それなりに勉強になるのだった。

妻と私は、ワインで酔いながらの観戦だ。
サッカーに集中していると、
長男ともごくごく自然に語り合えた。
そう言えば、ここ最近、
彼はにこっとして語ってくれることもあるのだった。
長男が話してくれる。それだけで嬉しい親父でもあった。

くたくたに疲れて帰ってきて、長男の不機嫌な顔を見るともっと疲れた。
だから、家族とは、お互いに笑顔でいられる関係であるべきなのだ。
サッカーのおかげで、今週は家族とのコミュニケーションがうまく行っている。
同じ趣味を持つことも、大切なことと改めて思っている。