新規登録がまだの方

下の[新規登録]ボタンを押してコミュニティに登録してください。

登録がお済みの方はこちら

コミュ二ティポイントのご案内

詳しく見る

親父たちよ

親父たちよ>掲示板

公開 メンバー数:62人

チャットに入る

サークル内の発言を検索する

サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。

閉じる

  • from: クマさんさん

    2008/07/29 14:56:29

    icon

    ピュアーな時代

    いい意味でも、悪い意味でもピュアーな時代があった。
    そんな単純に信念に向かって真っ直ぐに突き進む若者が少なくなった現代。
    40年近く前の全共闘の大学紛争の嵐の中で、
    国家や大学の権力に立ち向かって戦っていった学生たちは、
    そんな若者たちだったのではないだろうか?

    時代が変わると、その歴史は時には美化されてしまうこともある。
    誤解されて受け取られていたものを、
    再びある視点から修正することも歴史の真実なのだろう。
    あの時代の最中に、何を想い、何に向かってがむしゃらに突き進んできたか。
    浅間山荘の外と中との視点の違いから、まったく違った時代が見える。

    私が中学生だった頃、一日中この事件はテレビによって放送されていた。
    ライブ感覚のワイドショー番組の走りだったかもしれない。
    雪に閉ざされた山荘に向かって放水を繰り返し、
    アルミの盾をもった機動隊がそれを包囲し、
    銃声が時折鳴り響いた。
    人質を捕って立てこもった過激派たち。
    この時、歴史の視点は外からだった。

    そう言えば、小学生の頃、
    一つの塔に向かって同じように機動隊が放水していたっけ。
    角棒を持ちヘルメットをかぶり、顔はタオルで隠されていた。
    そんな沢山の大学生がその塔の上で何かを叫び、戦っていた。
    それは東大の安田講堂の占拠事件だった。
    「東大の学生なのに、なんでこんなことをするのだろう」
    この事件も校門の外から写された歴史だった。

    40年近く前には、日本には権力と真っ向戦った学生たちがいたのだった。
    弾圧と検挙の嵐の中から、閉塞的に追い詰められてった分派から、
    「連合赤軍」が誕生した。
    若松監督は、歴史をデモの中から描くことに渾身の力を込めた。
    私たちが知っている報道された映像の歴史も歴史の一つである。
    だが、その映像からは、一人一人の学生の声は聴こえてはこないのだ。
    そして、勧善懲悪的なパターンによって歴史の中で風化される前に、
    この混沌とした現代だからこそ、
    あの時代のアジトや山荘の中で起こったことを克明に記録し、
    一つの歴史として残したいとこの映画は製作されたと聞いている。

    それはまさに団塊の世代の青春グラフティーでもあった。
    「自己批判」「統括」「粛清」そして「自己の断固とした共産化」
    何のことやら難しくて分からんが、
    当人たちも何のことやら難しくて分からんまま突っ走ってきたのだろう。
    「革命」それは彼等彼女らにとっては、
    「命を懸けた自己変革」だったのではないだろうか?

    私はこの映画のラストを観た時、
    「明日に向かって撃て」のブッチとサンダースを思い出した。
    光に向かって銃を撃ちながら飛び出した二人のストップモーションと、
    その二人を打ち続ける警察隊の銃声がラストシーンだった。
    何かあの真っ白な光の中で機動隊に向かって銃を撃ち続け、
    突入によって逮捕された彼かの姿がこの映画とオーバーラップして
    心に焼きついた。

    彼等が今この現代に生きていたら、
    やっぱりこの映画で描かれたような彼等になったのだろうか?
    そして、この格差社会と言われる閉塞感の中で、
    正義に燃え、
    変革に向かってピュアーに「革命」している若者となったのだろうか?

    私はこの映画を観てから、
    60年代から70年代にかけて製作された
    独立プロの自主制作映画の数々がまた観たくなってしまった。
    そこには、そんな若者がいっぱい存在していたからだ。

    改めて若松孝二監督に敬意を表したい。

    • サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0
    • サークルで活動するには参加が必要です。
      「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
      ※参加を制限しているサークルもあります。

      閉じる

    • 0

    icon拍手者リスト

コメント: 全0件