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from: クマさんさん
2008/07/31 08:46:07
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人のはかなさ
床屋に行った。
20年近く通った床屋だ。
鏡に映った自分を見つめて悲しくなってしまった。
髪の毛が白いのだ。
耳の際だけが黒いため、かえって両側の白さが目立った。
「いつから・・・」
床屋の奥さんは、そんな私の嘆きを聞いて笑っていた。
「染めてみますかねぇ」
私は、絶対に染めない主義だ。
「白髪も恰好のいいものですよ」
これが人間の自然なのだと諦めた。
父の後姿を見て驚いた。
足が棒のように細くなっていた。
立つことも覚束ないわけがよく分かった。
母に急かされて嫌々ながらに出かける10分間の散歩が、
彼にとってはせいぜいの運動だった。
その後は、疲れたように眠るばかりだ。
父のあの元気な頃の面影がすっかりと消えていた。
やせたなぁ・・・。
51歳の息子が、78歳の父を見ていた。
30年前の私たちの姿が思い浮かんだ。
二度と戻らぬ姿だった。
川の流れのように再びその時代は帰ってこないのである。
死に向かっての一方通行。
私は、目の前に落ちては積まれる黒毛交じりの白髪の山をじっと見つめながら、
はかないものだと何だか悲しくなってしまったのだ。-
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