自分がとってもちっぽけになったような気がする。
それは、自分を主張することをあまりしなくなったからだ。
「私はこう思う。」
それは、言える。
だが、「こうすべきだ」とは強く言えなくなっている。
自信がないというわけではない。
信ずるものは確かに心にはあるのだ。
しかし、人は人それぞれなのだと思うと、
何とも強引に語れなくなっている自分なのだ。

若い人を指導する立場に立っている。
だから、語る機会は多くなった。
そんな時でも、伝えたい想いを押し付けがましく語ることはしないようにしている。
選択は、彼にある。
ただ私は語りたいことを語らせてもらうだけである。
その中から、取捨選択して彼が自分の血となり肉となる部分だけを、
そっと心のどこかにしまってくれていればそれでよいのだ。

人は、人それぞれの人生を生きている。
失敗の多い人生を生きてきた私は、
ある意味人に対して強引にも、
我がままにもなれないまま生きていくのかもしれなかった。

私の知っている人に、
とにかく自分の思い通りに相手を動かさないと気がすまない人が居る。
いつも自分を中心に考えているその考え方に、
私は反発を感じ、嫌悪さえ感じている。
人は、それぞれ自由なのだ。
その考え方や、行動を束縛し、支配する権利は誰にもないのである。

自分中心に物事を考えている人には、
相手の困った思いや、切なく迷惑な思いなどけっして見えないものだった。
「どうして私のことを分かってくれなのか？」
私が主人公であり、
私を否定し、認めない相手の存在は信じられないのだ。

私は、そういう人間にはなりたくなかった。
だから、強く自分を主張したり、
相手に対して臆病で、我がままになれない自分を感じている。
それが「居ても居なくてもよい人」としての存在理由なのかと、
最近は考えるようになった。

とにかく我がままに振り回されることに、
怒りすら感じている私である。