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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2009/08/27 20:18:41

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    墓の場所が決まった

    帰ってきたまたパソコンが壊れていた。
    何とか復旧したが、
    いつ取り返しの付かないことになるか分からない。
    リスクはいつもつきものである。

    父を連れて沼垂のお寺に行った。
    とにかく父は荒れていた。
    母が出かけていたせいなのか、
    突然ヒゲをそりに床屋に出かけ、
    帰ってきたら怒鳴るばかりだった。
    叔母さんがなんとかなだめてくれた。

    何故あんなに父は怒っていたのであろうか。
    お寺で座敷に通されて、
    住職さんは、実に実に気さくで、心優しき人であった。
    さっそく、墓についてのお願いをした。
    「分かりました」とのこと。
    帰る時には場所を決めていきましょうとのお言葉が嬉しかった。

    父は正座することが出来ないために、
    母と二人で椅子に座って黙って話を聴いていた。
    叔父さんは40年以上前に墓を建てた。
    その近くには当然空いている場所はないはずだ。
    それでも母が「そちらの方をお願いしたい」と言っていた。

    暑い中、住職さんが先頭に立ち、私たちを案内してくれた。
    すると塀に面した、一番端の角地が空いているではないか。
    「ここがあいていましたね」と、
    住職さんもその時発見したような驚いた口ぶりだった。
    すごいことだ。
    叔父さんの墓のすぐそばで、
    角地がぽっかりと空いていたのだ。

    あれほど不機嫌な顔をしていた父が陽の当るその小さな土地を見て、
    嬉しそうに笑っていた。
    「ここがいいわ」
    「東向きられ」
    母も感動して涙を流していた。

    もうすでに満杯だったはずのこの区画にどうしてここが空いていたのか、
    それは私には分からない。
    ただし、言えることは、この選択は間違っていなかったし、
    父も母も私も、やっと満足のできる墓の場所を得ることができたということだった。

    9回表ツーアウトからの5得点である。
    起死回生とは、希望を失わない者にしか与えられないチャンスなのだ。
    父と母と共に墓の場所を決めることになろうとは、
    私はこのことも想定外の出来事なのだ。

    「叔父さんが20年間祖父ちゃんのためにとっておいてくれたんこてさ」
    そんなことが信じられるような、
    感動的な出会いであった。
    人生、捨てたものではないのだ。

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