サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
-
from: クマさんさん
2010/10/15 05:49:31
icon
奇跡の生還のために必要なことは
チリの33人の奇跡の生還のニュースが流れている。
世界中が注目した33人だった。
地下深くシェルターの中に閉じ込められ、いつ救出されるか分からない極限状況の中で、
人間とは、実に強いものだと思わされた。
あのシェルターの中で行われた日々の生活に多くのドラマがあったのだと思う。
湿度が高く、不衛生で狭い環境の中で、人間はいかに生き延びるための努力をしたのか。
絶望を感じつつも希望をもって生きた33人の心を支えたものとは何か。
それは、地上でこうして生きている私たちにも必要なものなのではないだろうか。
母も、同じく奇跡の生還をしようとしている。
昨日病院へ行ったら、つくづく助かった命に対して感謝する母だった。
「先生のおかげだよ。」と、S先生と出会えたことを心から感謝していた。
胃癌が発見され、手術を宣告されたのは、
8月のお盆前だった。それから母の苦悶は始まった。
まさに、予期せぬ事故のため地下のシェルターに閉じ込められたような状況だった。
病名を告げられても、母にとってその現実的な意味は理解されなかった。
医師からの検査結果を聴いたのは、9月の初めだった。
私は、何だか涙が流れて仕方なかった。
母は、「先生にお願いします。」とだけ言った。
「この先生なら、私の命を助けてくれる。」
初対面のS医師だったが、優しい人柄がにじみ出る対応に母は全幅の信頼を置いた。
しかし、手術は一カ月待ちである。
地上との交信がつながり、一縷の望みができたが、救出にはまだまだ時間がかかった。
この待つ間が、とても大切なのだった。
「諦めない」ことである。
「希望を捨てない」ことである。
「勝手に悪い結果を想像しない」ことである。
いかに極限状況において、「希望をもつ」ということが力になるか、
それは母を見ていてよく分かった。
しかし、その希望をもてたのは、
必ず助け出すと言う強い信念をもったサポート部隊に全幅の信頼を置いたらである。
「信頼」これは凄い力を人間に与えるものだ。
どんなことがあっても見捨てられることはない。
だから、その救出の手を信じて、待つことができるのである。
手術が迫ると、ナーバスになり、体調不良から、伏せることが多くなった。
いよいよ迫りくる手術に対する不安と怖れが、母を襲った。
「もう駄目なのかもしれない。」
「転移していたらどうしょう。」
つまり、ここでマイナスの思いが、どんどん母を鬱にさせていた。
そんな時に支えてくれるのが「家族」だった。
家族と共に居ることの安心感。
家族からの励ましによる安堵感。
それは、チリの33人も同じだった。
絶望的な状況に置かれても、人間は生きていかねばならないのだ。
その「生きる力」のヒントが、今回の奇跡の生還にはたくさんあったと私は思う。
それは、母を通して学んだこととも見事に一致するものである。
コメント: 全0件