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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2010/10/17 06:24:55

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    母の退院当日

    昨日、母が退院して来た。
    父と叔母とで病院に迎えに行った。
    病室に入ると既に母は、荷物をまとめ、着替えをしてベットに腰掛けていた。
    何だか痩せたので、逆に昔に戻り元気そうに見えた。
    あの4階の病室から見える物見山の砂丘列の風景ともお別れである。
    私は、母の手術前、病室から見るこの風景にどれだけ癒されたことだろう。

    母と父と私とで、ナースセンターに挨拶に行った。
    「ありがとうございました。お世話になりました。」
    三人は、本当に心を込めて深々とお辞儀した。
    母は、回復しての退院である。
    こんな日が、看護師さんたちが一番やりがいを感ずる日なのだろう。
    人から感謝される仕事。そんなことを改めて感じた。

    荷物を持ち、みんなでエレベーターの前に立った。
    いよいよこの病院ともお別れである。
    「誰が退院して来たか、分からないね。」
    一番弱っているのは、父なのだ。
    歩き方もおぼつかなく、昨日もやっと車に乗って病院に来た。
    前日、岡田医院に行って先生に驚かれてしまった。
    6月から来ておらず、とっくに糖尿と脳梗塞の予防のための薬が切れているはずなのだ。
    父は、薬を嫌う。父は、薬を飲まない。
    母が入院している間、煩く言う人がいなかったので、
    父は、その薬を断っていたのだ。それでは具合の悪いのは当たり前だ。

    病院の駐車場で、初めて外の空気に触れた。
    三週間ぶりだった。「生還」だった。
    母は、この三週間の入院で何を考え、何を感じて来たのだろうか。
    とにかく帰宅できることが嬉しそうだった。
    帰りの車に乗る父も同じだった。

    今日から本当の一日が始まる。
    食事がそれはそれは大変なのだ。
    私が胃の手術を受けたなら、何も食べられない現実にストレスを感ずるはずだ。
    食べる喜びを奪われた母。
    母のために大好物の生寿司や豆餅を買って来ることもなくなってしまった。
    母は、入院前によしはらの釜飯を食べた。
    しかし、きっといつかまたよしはらで釜飯を食べられる日が来ると信じている。

    笑顔の母だった。
    気丈な母だった。
    そして、少し諦め、心が丸くなり、小さくなった母だった。
    疲れたのか、やっぱり昨日は午後から布団の中で眠っていた。
    その横で父が、薬を飲んでいる姿がおかしかった。

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