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from: クマさんさん
2010/10/29 05:54:07
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否定はしない。肯定しよう。
プロークンレコード。
壊れた録音機。
そんな気持ちで、根気強く相手に想いを語り続ける。
これは、ある児童心理学の教授から教わったことである。
とかく人間は自分の欲もあって、
相手に対して語る言葉に感情が加わることが多くなる。
特に我が子に対してや、伴侶に対してもそうである。
何だか本当に話しながら冷静さを欠き、
いつのまにか怒り声になっていたりする。
「またやってしまった。」
相手のことを想ってのアドバイスだったはずなのに、
相手を怒らせ、自分も自滅してしまう。
感情を入れずに、冷静に語ることは難しいが、
勝ち負けだとか、俺の言うことを何で聴けないんだだとか、
そんな上から目線で物を語ろうとするから、
語っている内にイライラしてしまい、
ついには怒り心頭に発するという惨めなことになってしまうのだ。
ブロークンレコードは、壊れた録音機である。
その機械で再生すると、同じ言葉が繰り返し繰り返し再生されてしまう。
冷静になるように自制する前に、
静かなトーンで語り始め、ある意味感情を捨てて語り続ける。
昨夜、次男とそういう場面に遭遇してしまった。
彼に語らねばならないことがあり、
どうしても彼に分かってもらいたいことがあった。
彼はそんなお説教は分かっていることだし、
自分では親父から聴きたくない小言でもあった。
まずプロークンレコードを再生した。
私は、次男の困り感に立ち、共感的な理解に努める。
私は床に座り、次男は椅子に座っている。
私は彼を見上げる格好で、抑揚をつけず淡々と伝えたいことを話し、
彼は適当に聞き流し、取捨選択をしていた。
いつもならそんな態度に怒り出す親父であるが、
これは彼の将来のためなのだとぐっと堪えて、感情を抑えた。
このトレーニングは、日々職場で積んでいる。
感情を入れずに、待機する姿勢は、
けっこう有効であり、己にもストレスにならないことがよく分かった。
人は、言ってすぐに変わるものではないのだ。
人は、その言葉を取捨選択し自己決定する権利があるのだ。
人は、人なりに考えているのだ。
ただし、うまくいかないことが多いので、困っている場合があるのだ。
そう想うと、彼は私である。
「これでいいのだ。」
その言葉で親父と子とは救われた。
彼は、どう選択し、どのような結果になるか。
それは神のみぞ知ることなのだ。
親として出来ることは、これからもずっとずっと見守って行くことと、
彼自身の困り感を感じ、同じ目線でアドバイスをすることだ。
それから、「父さんは、あなたのことが大好きだよ。」とのメッセージを、
やっぱりいつも子どもが感じられるような表現方法で贈り続けることだと思う。
否定はしないことだ。
あるがままをいかに肯定するか。
それが親父修行の道なのだと、この年になってはたと気づいた。
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