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from: クマさんさん
2010/12/23 09:24:13
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パスタのドラマ
昨夜は職場の忘年会だった。
「いかの墨」で絶品料理を堪能した。
旨いものを食べていることの幸せをいつも噛みしめている。
食材と出会う。そうかこう来るか。この味は一体何だ。
料理には、そんな驚きと感動がある。
私にとっては、特にパスタがお勧めだ。
ある日、コンサートへ行く途中に、「ナント」というお店に寄った。
以前から気になっていたお店だったが、
それまでは「フーデリック」のパスタが食べたくて、その店は素通りしていた。
ところがである。「フーデリック」がパスタランチを止めたと言う。
ガーーン。このトマトソース系のパスタの大ファンだったのに。
という訳で、「ナント」に決定した。
急な階段を昇ると、入口がある。
入るとなかなかおしゃれな店だった。
カウンターの隅に座り、メニューを見せてもらった。
イタリア語で書かれているパスタの名前は、どんなパスタかさっぱり分からなかった。
そこでマスターとの会話となる。
「このチーズをからめた○○がお勧めです。」
「それでは、それで。」
サラダを食べてしばらく待つと、現れた一枚のプレート。
そこには幾種類かのチーズをからめた、ちょっと平麺のパスタがのっていた。
まずは香りを楽しみ、挨拶の一口である。
「何だ。この旨さは。」私の味覚は戸惑いと驚きと感動で震えた。
一瞬にして魂を奪われる味。
旨いパスタに出会った時は、口の中で噛みしめながら対話する。
両手をカウンターにつき、やや俯き加減でパスタと見つめ合う。
その口に広がる豊潤で奥深い味がパスタからの語りだ。
私は、心の中でそのパスタに「ヴラボー」と語りかけ、
また厳かな気持ちで一口食べる。
半分くらい来たところで、やっぱり言葉に出して賛辞を呈する。
「素晴らしい味ですね。ヴラボーです。」
「ありがとうございます。」マスターはにこやかに応えてくれる。
その味は一つの芸術品である。
それも、今ここにあるだけの、そして、しばらくすれば消えてしまう、
そんな不思議な芸術品が五つ星のパスタなのだ。
「演劇に似ているなぁ。」と、私はいつも想う。
パスタには、起承転結が存在するからだ。
「出会い」「触れ合い」「愛し合い」「歓喜のフィナーレ」
私にとってのパスタは、ある意味傑作な演劇作品なのである。
さて、プレートには、残り少なくなったパスタがある。
「そうか、もう行くか・・・・・。」
「いつまでも君とこうしていたかった・・・。」
「しかし、人生とはこうしたものだね。」
「花に嵐の例えがあるさ。サヨナラだけが人生だ。」
「君と過ごしたこのひと時を神に感謝だ。」
「ありがとう。本当に心からありがとうを言わせてもらうよ。」
あーーーっ、最期の一口のパスタが。
プレートに残ったソースをスプーンでさらって、口に入れる。
名残惜しい。しかし、彼女はすでに去ってしまった。
カウンターには、非情にも空になった一枚のこじゃれたプレートだけが残された。
私は墓に手向けるバラのように、フォークをそっと斜めにプレート横たえる。
「アディュー。愛しのパスタよ。
もし私たちの運命を悪戯な神が微笑んでくれる瞬間があるのなら、
きっとまた、お前と出会うチャンスが来るはずさ。」
私は、ナプキンでとマスターに悟られぬように、そっと涙を拭いた。
帰る時は、「ブラボー」の連発である。
支払いの時に「ブラボー」
厨房へも「ブラボー」
ちょうど表に出ていたチーフにも「ブラボー」
そして、店を出る時は、扉を閉めて振り向いて、一礼する。
そっと心の中で「ブラボー」なのだ。
いかに五つ星のパスタとの出会いが、
感動的なドラマであるかよく分かってもらえたと思う。
本日午後1時30分より、NEX21の一階のラウンジで、
わが愛するディーバYuccaさんのコンサートがある。
無料。参観自由。声援一杯。一声入魂。前途洋洋。幸福至福。
とにかく新潟市民は全員集合ぜよ。
きっとここにも感動のドラマがあるはずだ。
Yuccaさん、待っててくれよ。
「ブラボー・ブラザーズ」と「花束王子」が駆けつけるからね。-
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