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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2011/07/26 05:58:00

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    大鹿村騒動記 千円

    さてさて、いつも何かに躓くと、少しの自信を失ってしまうクマである。
    またやっちまったなぁと、想う。
    大したことが無いとは、想う。
    でも、やっぱり気になってしまう。
    そんな性分が、私なのだ。

    「大鹿村騒動記」を観た。
    何とこのご時世に千円の映画なのだ。
    我が永遠の憧れの人原田芳雄さんの遺作でもある。
    人生の最後にこの村歌舞伎を舞台にした人情喜劇に主演した。
    それもこれも達者なわき役たちに囲まれて。
    この時、既に病は発症していたのであろうか。
    そのままの原田芳雄さんだ。

    大鹿村が紅葉に染まっていた。
    ということは、昨年の秋に撮影されたものなのだろう。
    その時は、こうして役者として生き、映画を撮影していた。
    そして、7月の上映記念の舞台挨拶では、
    やせ細り車椅子で声すら出せない状況だった。
    人の一生を最後まで私たちに見せて、
    往ってしまった人だった。

    人の一生は儚いものでありながら、やっぱり凄いものだと私は感じた。
    最期にこの主演映画を撮影している時の気持ちはどんなだったのだろうか。
    舞台は死んでしまっては主演は出来ないが、
    映画の世界には原田芳雄さんは見事に原田芳雄として生きていた。
    私にも、そんな生きて来た証のようなものが欲しいなぁというのは、
    やっぱり私の欲なのかも知れない。

    「ディア・イーター」主人には、そんな欲は微塵もなかった。
    愛する妻は18年前に大親友と一緒に駆け落ちした。
    そして、その痴呆にかかった妻を返しに、二人はこの大鹿村に帰って来た。
    本来ならば修羅場を演ずるはずであるが、
    主人は、あっという間に二人を受け入れ、
    元の生活に戻ってしまう。
    300年続いている村歌舞伎を守る。
    その舞台は、圧巻であった。
    「愛するから、許す」
    それがごくごく自然で、とても優しい主人なのだ。

    躓いたっていいではないか。
    人間なんだもの。
    これって誰の言葉だっただろうか。
    失敗と後悔の連続が人生だったりする。
    人様に迷惑をかけてばっかりの愚かな生き方だったりする。
    しかし、それでもやっぱり人は心の故郷に帰って来るのだ。
    そして、例え裏切り、酷いことをしてしまった故郷であろうとも、
    「お帰り」と言ってくれ、「いいよ」と言って許してくれ、
    また温かく抱きしめてくれる。

    馬鹿鍋を作るこの主人は、
    やっぱり歌舞伎馬鹿の木偶の坊だったのかもしれないなぁ。
    ちょうど少しだけの自信を見失っていたクマは、
    原田芳雄さんに出会い、
    「いいよ、いいよ」「クマよ、そんなこと気にスンナ」
    「何とかなるて」と慰められた気がした。

    千円のこの映画、山いっぱいのお日さまを浴びた紅葉のように、
    とても温かくて、優しい映画だ。
    私はもう一度この映画の芳雄さんに会いに行きたいと想っている。

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