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from: クマさんさん
2011/11/08 06:29:44
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○○さん。
人生は、何が起こるか分からない。そのパート2。
昨日車で通勤途中に、驚くべき光景に出会った。
お爺さんが一人、歩道の脇で倒れているのだった。
これは大変だと、私は車を止めて駆け寄った。
声をかけると、返事をする。
とにかく救急車だと119番をした。
しかし、焦れば焦るほど、何を言っているのか分からなくなってしまった。
場所を聞かれても正確に答えられなかった。
「神明神社の裏です。」「山ノ下保育園の近くですか?」「そうです。」
消防署の人に場所を教えられたりしていた。
心肺停止状況は無い。
心臓マッサージも、AEDも今のところ大丈夫のようだ。
しかし、いざという時には、手助けが必要になる。
私は、大声で助けを求めた。
「誰か、来てください。」「人が倒れています。」「助けてください。」
しかし、朝の世の中は冷たいものだった。
そんな呼び掛けにかかわってはいられないのか、人は出て来なかった。
すると、近所のTさんという高齢な女性が歩いて来た。
そして、私に落ち着いた口調でこう語りかけた。
「いつもなんですよ。○○さん、大丈夫ですか?」
何の事だか分からないまま、私はその女性の話を聴いた。
「独り暮らしなんですよ。認知症なんですよ。」
「昨日も夜中から、あちらこちらの家の戸を叩いて回っていたんですよ。」
すると向かいの親父さんも顔を出した。
「病院に行きたくなると、こうして何回も救急車を呼ぶんだがね。」
「この前は民生委員さんと抱えて、家まで連れて行きましたて。」
私は、そんな話を聴いた途端に、この人が可哀そうになってしまった。
80歳近くの年齢だろうか。このお爺さんの人生が哀れに想えた。
心寂しいから、こうしているのだろう。
「これから寒くなるから、本当に困りますて。」とかの女性。
そして、サイレンの音と共に救急車が到着した。
降りて来た救急医療士さんは、この人の名前を呼んだ。
「○○さん、どうしたね。」馴染みのお客さんなのだ。
きっと軽い処置をしてもらった後、病院に搬送されたことだと思う。
出勤前のほんの短い時間の出来事だったが、
またまた予想も出来ない人生を感じてしまった。
昨日一日、この人のことが頭から離れなかった。
我が家に帰ってから、父にこのことを話した。
そしたら、この人が可哀そうで、涙が流れた。
父は、黙って何度も何度も肯くばかりだった。
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