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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2012/01/21 06:58:08

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    呑んべえ道

    酒は、呑んで来た。
    この朝から呑んでいる訳ではないから勘違いしないで欲しい。
    毎晩寝床でなぎら健壱さんの「暮景色」という文庫本を読んでいる。
    どうせ一章読んでいつの間にか酔っ払って寝てしまうのだが、
    この東京下町路地裏の飲み屋の話がとても面白すぎるのだ。
    酔っ払いが、酔っ払いの話を読む。
    それも、70年代には私も同じ東京で飲み歩いていた。
    私は渋谷。彼は江東区下町。
    彼が出会い、酔っ払って暴れていた頃の風景は、
    私の青春の風景と妙に重なる。

    それにしても彼の文章が実に味があって、いいのだ。
    何と言うか、その一文一文に彼の人柄が滲み出ている。
    あの優しさと、人なっこさと、無邪気さとが、
    「そうだそうだ。分かる分かる。」と感じられる。
    彼の文章を読んでいると、
    意図されない伏線や、
    奇想天外な落ちにによって、
    「うーん」と感嘆の声をあげることばかりだった。

    何故、こんなになぎら健壱さんのことを書いているかと言うと、
    私の文章修業と呑んべえの師として、彼と出会えたことの喜びを伝えたかったのだ。
    彼の文章を読んでいると、
    カウンターで彼の隣りで呑んでいるような心地よさになるのだった。
    眼鏡越しにあの笑顔で「クマさんさ、」と、
    彼が酒を呑みながら冗談のように笑いを取りつつ、
    奥深い人生を語ってくれるような錯覚を覚えてしまう。

    「私、素面のクマさんに会ったことないわ。」と、言われるクマである。
    「休みの日の午後は、いつも酔っ払いらね。」と、心配されるクマである。
    「具合大丈夫ですか?」と、昨夜は一つの飲み会をキャンセルしたクマである。
    「私は、なぎら健壱さんと、高田渡さんを目指す。」と言っても、
    何が何だか分からない人は、この文庫本を読むと言い。

    「発酵道」という言葉をここで紹介したことがある。
    私はやっぱり、発酵した後の美酒に酔う「呑べぇ道」で生きたいものだと心に決めた。
    酒好きには、酒好きにしか分からない相寄る魂がある。
    「お前もか・・・。」「呑むか・・・・。」「いいね。」
    後はカウンターで肘をつき、小鉢の刺身か何かを箸でつまみながら、
    熱燗徳利を手酌で呑む。
    すると、脳が発酵を始め、
    次々と面白く、くだらなく、実に深い深い話を交わしている。

    愚痴を言い、共感し、怒りを発し、大笑いをして、しんみりと涙を流す。
    やっぱり友と酒とはいいものだ。
    「今夜もいい酒らったね。」
    お互いの呑んべぇ道の健闘を讃え、エールを交換して家路につく。

    その極意にはまだまだ至らないが、
    その道を歩き続けて来たことと、
    その道の修行を命懸けで行っていることは、
    なぎら健壱さんと出会って、理解した。

    この道の免許皆伝は、棺桶で伝授されるのだ。
    日本中の酒呑みに、今日も美味い酒をとただ祈る。

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