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from: クマさんさん
2012/12/27 16:25:54
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生き延びて来た父
父の所に行って来た。
午後2時に布団の中で眠っていた。
ディサービスの部屋では他の人たちも居るのだが、
人には交われない人だった。
食事を食べると、黙って車椅子に乗ってこの部屋に来る。
後はテレビを観ているか、ベットで寝ているかしかなかった。
私がいずれ行く道なのだとよく想う。
ただし、父のこの年まで生きられるかどうかは、大いに疑問であるが。
しかし、もし生きられたとしたら、やっぱり父のように孤独になるのだろうか。
私は、人と話すことが好きだ。
若い女性や男性の職員の多いこの施設では、いろいろと語れると思っている。
また、同居している人たちにも興味はある。
80年近く生きた人たちには、生きているそれでけで存在感はあるものだ。
人生の話や生きるについての話を聴きたい。
ついでに、あの世を想像して語り合いたいものだと想う。
それから、読書だ。とにかくゆっくり存分にひたすら本を読みたい。
今は池田晶子さんのはまっている。
一冊の書物を反芻しながら、言葉を何度も読み返しながら、向き合っていたい。
それから、映画だ。ビデオレンタル店はすく゜そこだった。
懐かしい名画をここぞとばかりに堪能したい。
観たい映画は山ほどある。残された人生の時間ではとうてい足りないほどである。
物語に刺激を受けたら、自分でも物語を書こう。
演劇のための脚本を私は生涯書き続けることを天に誓っている。
物語を次の世代の受け継いでから死にたいものだ。
それに値する言葉ロゴスに促されて、書きたいものを書き続けたい。
まちづくりのボランティアは続けたい。
山には一生登り続けるように、このボランティアも続けて行きたい。
何が出来るか分からないが、誰かのための何かをやりたい。
そして、新たな人としてのネットワークをまちに築き、次の世代に受け渡したい。
ああ、そう考えるとやりたいことだらけで、
もったいなくて父の様には生きたくないなぁと、想って帰って来た。
しかし、はたと想った。
もし、私が脳梗塞か何かで寝たきりになってしまったら。
もし、私が60代で認知症になってしまったら。
もし、私が明日心臓発作で突然死したら。
もし、私が癌を宣告され、あと数カ月の命だとしたら。
全てのことは、夢のまた夢なのである。
父は、この年まで遊びたいだけ遊びつくした人である。
父の孤独。父の寂しさ。父の諦め。父の後悔。父の痛み。父の悲しさ。
父は私を見るとすぐに怒鳴る。
しかし、私には父が何を言いたいのか聴き取れないのだ。
すると、もっと苛立ち父はまた怒鳴る。
そんな父を見ているとつくづく健康の有難味を感ずる私だった。
しかし、やりたいことは山ほどあるが、生き抜くことが私にはできるのか、
それは、とてもとても疑問なのだ。
父は、80歳まで見事に生き延びた。
今はこうだが、学ばねばならないのは私の方ではないのだろうか。
生き延びることに少々疲れを感じている55歳の私。
父はどんな風に見ているのだろうか。-
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