年を取ったから、何かをできるようになったわけではないみたいだ。
どうも年をとった分、片隅に追いやられたりしているからだ。
とにかく、猛烈なスピードで世の中は動いているらしい。
そのさなかにあっては、そのスピード感に乗り遅れた中高年は、
やっぱり使い物にならないと置き去りにさられるようなのだ。

「人間はいかに生きるべきか」とか、
「愛とは何か」とか、そんな世迷言を言っている間に、
この書類とこの報告書をきちんと提出せよという世の中なのだ。

有無を言わせない。
みんなパソコンに向き合って、せっせと書類を作成しとている。
馬鹿な話は御法度だ。
そんなことを話しているものには、
こいつらは仕事にやる気なしのレッテルを貼られてしまう。

この年になると、どうでもいい評価だが、真面目な若者たちは、
こんな情けない評価のために、汲々と仕事に励むのだ。
本来仕事とは、人のために働くものであり、自分のためではなかったと思うのだが、
評価が厳しく入ることで、自分のための仕事となってしまったようなのだ。

おかげで、連携だとか、助け合いだとか、
お互い様だとかの人間的なゆとりがなくなってきた。
いいではないか。とは、思わないのだ。

片隅に追いやられ、マイナスの評価を受けながらも、
やっぱりここで生きていかねばならぬのだ。
だから、迷わずに、私は私らしく仕事をしようと心に決めている。