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from: クマさんさん
2013/01/28 06:34:11
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物語の使命とは
朝、走ろうと思ったら、雪で真っ白だった。
昨日はあんなに青空が見えて、天気がよかったのに。
おかげでトレーニングができず、体がずいぶん重くなった。
次男がインフルエンザA型に罹患した。
しかし、熱も出ないし、身体がだるいぐらいで、たいしたことなくすんでいる。
水曜日まで出席停止だ。
昨日も一日ゲーム三昧だったらしい。
時間をいかにして使うか。
私は、時間の使い方が上手くできないようである。
休日は、何も予定を入れないと、あっという間に過ぎてしまう。
あれもこれもしたいと思いながらも、テレビを観て終わることもある。
その後は、いつも苦い後悔だった。
この土日は、そんな私だから、映画を予定に入れた。
土曜日はアンゲロプロスの「狩人」3時間に渡る長編だ。
日曜日は、「あの日、あの時、愛の記憶」
ポーランドの収容所から脱走した男女の愛の物語だった。
私は、ある時間、その人たちの人生を同時代的に見つめていた。
ギリシャが軍の独裁政治を敷かれていた頃のブルジョワ階級の人々の物語。
命懸けで逃亡しながら、別れ別れになってしまった男女の人生。
しかし、その物語の底の底には、
軍事独裁政治に対する激しい抵抗と自由と民主主義へのあくなく願いがあり。
その独裁の中で、戦う民衆たちの多くの血潮が流された記録を、
モニュメントとして、実はアンゲロプロスは独裁政治下に、
この映画をゲリラ的に作っているのだ。
ヒットラーによるユダヤ人に対するホロコースト。
そんな収容所の悲惨で非人道的な生活がこの映画では記録されている。
人間の尊厳が奪われ、動物以下の虐待を受け、死を待つ人々。
人間が決して忘れていはいけない歴史だった。
そして、ナチから終戦によって解放されたポーランドの人々は、
次には突然攻め込んできたソ連軍によって、シベリアへ連れ去られて行くのだった。
淡々と描かれたこの二つの映画は、その底の底には、
自由と民主主義のために命を懸けて戦った人々の怒りや、苦しみや、
孤独が描かれているのだった。
自由を守り、命懸けで戦った人々の記録を残す。
これも、「物語」の大事な使命だと私は想った。
「王瀬の長者」も、「キビタシノ森」も、弱き民衆が力を合わせて、
自由と尊厳のために戦う物語だ。
そして、その自由と人間としての尊厳を守る戦いこそ、
日々の生活において、私たちは全うしなければならない生き方なのではないだろうか。
「精神の自由と独立」
「人間としての尊厳を保つ」
それは深い深いところからの魂の呼びかけであり、
自然の中で自然と共に生きるための、人間らしい生き方なのだ。
そして、人は後の世に生まれる人たちが人間らしく生きるために、
この「物語」を残して行ってくれたのである。
いつの時代か、この人間の自由と尊厳とが犯される危機が来るかもしれない。
その時は、「レ・ミゼラブル」の「トモロー」を民衆の旗を掲げて歌えばよいのだ。-
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