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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2013/11/07 15:40:10

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    キャンプは、やっぱり禁酒だった

    さて、そんなIさんが私をキャンプに誘ってくれたのには訳があった。
    私が、これからどうやって生きていくのか心配してくれたからだった。
    森の中でキャンプする。
    それも、禁酒なのである。
    そして、焚き火を見つめながら、ゆっくりと語り合う。
    その至福の時間をお互いに持ちながら、
    いかに生きるを考えることがみのキャンプの目的だった。

    ありがたいなぁと、感じた。
    私は、今、忘れられた存在だからだ。
    居ても居なくてもいい人としてここに居るだけだった。
    そして、自分という人の限界を感じていたからだ。

    いつしか二人の話は、菩薩の話となり、禅の話となっていった。
    それは焚き火の炎がゆらゆらと燃え、
    森の隙間から美しい星空が見えた静かな夜だっただからかもしれない。
    太古の頃、人々は全てのものに神を観ていた。
    自然の恵に生かされた人々は、自然を畏れ敬いながら大切にして生きてきた。
    そして、昔の人々は、きっとこの森や火や星の語りかける言葉を理解したはずである。
    全ての答えは、ここに在り、ここで語られている。
    その言葉を聴き取る感性を、人々は失ってしまった。

    ブッダは、長い長い苦行の果に疲れて、菩提樹の下で瞑想に入った。
    呼吸することで、自然とは気を通して一体となっていく。
    すると、ブッタはそこで悟りを開き、そこから立ち上がり伝道の度に出た。
    そのブッタが悟り、仏となって分かったことは、因果の法則だった。
    それこそ、この自然そのものが永永として語り継いできた真理でもあった。
    考えることが煩悩となる。
    その煩悩の炎をどうやって消し去っていくか。
    それを消し去る方法こそ、悟りへの道だった。

    それはとてもとても単純で当たり前のものだった。
    道元は中国から膳を学んで帰ってきたとき、「空手帰郷」と言った。
    そして、「眼横鼻直」とただそれを学んだと言った。
    そして、坐禅の方式を確立して、禅道場を永平寺に開いた。
    道元もまた、都を離れて深閑とした森の奥深くに道場を求めた。

    その道元の「正法眼蔵」を学び、良寛は涙した。
    そして、良寛は師の国選和尚から因がをもらい度に出た。
    良寛もまた真理を求めて自然の中に分け行っていった。

    ブッダ、道元、良寛が求めたものは、ここ、この森に在る。
    さて、それとは何か。

    ちらちらと焚き火の炎が小さくなると、Iさんが薪をくべた。
    すると、ちいさくなっていた炎が、しばらく燻した後で、元気になって踊りだす。
    ああ、この炎と同じだなぁと、私は思った。
    小さくなった炎には薪をくべてやればよいのだ。
    そして、それは生きものであり、息をしているものなのだから、
    しっかりと風の通り道を作ってやれば、炎は自分で燃えるのだ。

    「良寛さんだね」「良寛さんだよ」

    Iさんは、燃えかすのように燻っている私の魂に、薪をくべてくれたのだ。
    すると、真っ暗な森の下で、私の魂の炎がちょろちょろとまた燃え出してきた。
    「何をしようかね」

    答えは、やっぱり、ここ、この森に在るのだ。

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