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from: クマドンさん
2014/11/26 05:59:24
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父の回復
「色即是空」
色はそれぞれの形であり、それはみな空という1つから産まれている。
だから、個別な存在としての一つ一つも、産まれたところは同じなんだ。
とは、ある坊さんの話だ。
みな空から産まれてきた。
そう想うと、自分ではないものは一つもなくなる。
同じ空と言う母親から産まれたのだから、
彼は我でもあった。
それが、「空即是色」なんだろう。
そこには対立は存在しない。
みな同じ。
みな兄弟姉妹。
別々ではなく、同じ空のそれぞれの現れなんだ。
「万物斎同」だったかな。
そんな言葉にも、出会い、肯いたこともあった。
言葉とは、ずっとずっと親しんだ言葉のはずなのに、
突然、その意味を合点し、腑に落ちる瞬間があるものだ。
まさに、気が熟し、実った果実がポトリと落ちる瞬間のように。
「別々ではない」「みな一つから産まれたものだ」
そのことを分かれば、心が穏やかに、落ち着くのではないだろうか。
それならば、恨みや、怒りや、蔑みや、侮蔑や、否定等の負の感情は必要なくなる。
何故ならば、彼は、我と同じだからだ。
できない彼も、失敗する彼も、罪を犯す彼も、嘘をつく彼も、弱すぎる彼も、
それは、私なんだとそう想えばいい。
本当は、違うものは一つもないのに、
違うことばかりを探して、優劣をつけたり、価値をつけたり、馬鹿にしたり、だ。
自分をちょっと振り返ってみたらどうだろうか。
自分は石をもって罪深い女を石打の刑に処せられる人なのだろうか。
それは、イエスが人に問うたことだった。
「この中で、罪を犯したことのない人は、石を取りなさい」と。
今朝、色即是空に再び出会えた。
その坊さんが言っていた。「再誕」だと。
昨日、ベッドの父は、別人のように回復していた。
おばたちが見舞いに来てくれたと喜んでいた。
Hさんが来てくれたら、笑顔で昔鯉のぼりを毎日揚げていた話になった。
「13年間・・・・」
そうか、父は、我が長男と次男のために、
13年間もあのどでかい鯉のぼりを揚げてくれたのか。
改めて、父のそのかけがえのない優しさに感謝した。
「テレビを観たい・・・」と、父が言った。
体が楽になったせいだろう。さっそくテレビカードとイヤホンを購入した。
リモコンも不自由な手では使いづらい感じだった。
リモコンの操作をするための人が必要な父でもあった。
私は、ベッドの傍らで、「タオ」を読んでいた。
「タオから全てのものが産まれた」とのこと。
「色即是空」と同じではないだろうか。
父も父のおかげで私たち家族も、波乱万丈な生活だった。
しかし、晩年の父は大人しくなり、何よりも酒と孫とを愛して暮らした。
「無名」の人だ。
でも、それでいいのだと、私は想う。
きっと私も「無名」な人として、生涯を全うしたいからだ。
産まれたところに、人は還るものだ。
そこから産まれて、そこに還るだけの小さな存在としての我なんだ。
父が、そんなことを私に教えてくれている。
「色即是空 花盛り」誰の句だったけかなぁ。-
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