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from: クマさんさん
2015/08/30 07:48:47
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アーー、我
このパソコンは、ウイルスのおかげなのか、どこか劣化しているのか、
とにかく動作が遅くて、遅くて、遅くて、だった。
立ち上がるまで5分以上の時間がかかる。
一つのページを開くのに数分の時間を要する。
この文字を打つことにも、反応にはずれがある。
ああーーっ、いらいらするっと、以前なら想ったと思う。
しかし、このパソコンは、今の私なんだと思えば、
何とか心乱さずに、待つこともできる。
短気で、すぐに沸騰する私だったが、いつの間にか気が長くなった。
「何でこうなんだ」と、怒っていたが、
そうだから、こうなんだと、諦められるようになった。
いくら私がここでいらいらしてもこのパソコンの精度は変わらない。
それを、このパソコンの個性と想えば、それでなんだか待てるのだ。
待つことの大事さ。
聴くことの大事さ。
諦めることの大事さ。
それを年を取ることから学ぶことができた。
その反対だった私は、そのために波乱万丈な日々を送ることとなった。
自分を優先しない。
感情を乱さない。
しっかりと現実を見つめる。
それは、私の想いとは全く関係なく存在する現実だった。
それに対して、何を言おうと、どんな不満をぶつけようと、怒ろうと、
何も変わらないことがよく分かった。
だから、自分にできる唯一のことは、私がその現実に順応することだった。
変わるのは私だ。
こうして諦めて打っているうちに、パソコンが回復してきた。
打つ速度に対しての不具合が解消された。
さっきからついたり消えたりしているFMラジオが、
今は、感度全快でプラスの響きだ。
このおんぼろパソコンも、このおんぼろチューナーも、私なんだ。
「あーー、我なんだ」そう想えば、待つことも、許すことも、受け入れることもできる。
「あわれ」「哀れ」なんだそうだ。
「あー、我」でこれからも静かに生きていきたいと、
おんぼろパソコンに向かいながら改めて想った日曜日の朝だった。
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