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親父たちよ

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  • from: クマさんさん

    2015/09/07 05:33:47

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    そんな自分をどうするか

    土曜日の午前中に、徹底的にダイニングの床の掃除をした。
    母が亡くなってから、私が怠っていた仕事だ。
    三年間の月日だろうか、床の汚れはひどく、表面の薄い板もあちこちぼろぼろだった。
    傷は小さなうちに補修すれば、目立たないが、
    このように長年放置すると、末期的な症状になる。

    丹念に洗剤で床をふき、こびりついた汚れはそぎ落とした。
    次にカラーという色を付ける液を全体に塗りこんだ。
    汗がひたひたと落ちてくる。
    腹も減って、目眩すら感じられた。
    しかし、始めてしまったものは途中で止めるわけにはいかない。
    自分に言い聞かせて、とにかくワックスを塗り終わった。

    2時間半の格闘だった。
    へとへとで確かにダウン寸前だったが、何か爽やかな気持ちになった。
    ぴかぴかに変身した床を鑑賞しながら、
    ああ、これで一つの仕事を成し遂げたと、満足感を感じたからだ。

    日曜日の朝、庭に出て、鬱蒼とした木々の剪定を始めた。
    ふと、庭に出てコーヒーを飲んでいたら、思いついたことだった。
    ああ、ここもまた母が亡くなってから、ほったらかしの場所だった。
    木々は枝や葉を伸び放題に伸ばし、
    繁殖していた。
    混み合いへし合い、それはそれで生きるには難い環境だったと思った。

    鋏を入れて、どんどんと枝を落としていった。
    ばすばすと、とにかく思いつくままに枝を落とした。
    高い枝は、脚立の上に立ち、長い剪定ばさみで、切り落とした。
    落とした枝を集めることに苦労するぐらいの量だった。
    どでかいビニル袋をいっぱいにして、仕事をしまいとすることにした。
    庭は、すっかり明るい庭となった。

    こうして汗を流して、何かの仕事に向かっている瞬間は、
    やっぱり無心な時だった。
    ここに汚れがあるよ。ここの枝を切ってください。
    そう呼ばれるままに仕事を続ける。
    何も余計なことを考えないから、ただ仕事に汗をかくだけだった。
    何だか、そんな無心な瞬間の喜びがあるから、
    こんな大仕事をやってしまったのかもしれないと、今は思う。

    さて、ここに独り、母が亡くなってから放置されている私が居る。
    やっぱり私もダイニングと庭の木々と同じように、
    どうにもならない状況になってしまったようなのだ。

    さて、そんな自分をどうするか。
    本当にそんな自分からは逃げられないのだから。

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