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from: クマドンさん
2016/03/06 07:03:33
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これでいいのだ。これはやっぱり真実だ。
「自分自身を探究して、凡てのことを自分自身から学んだ」
「私にではなくて、ロゴスに聞いて、万物が一つであることを認めることが、智というものだ」 ヘラクレイトス
「こんなふうに考えて行くと、必ず、人類と宇宙と存在の、不思議と哀しみとに行き当たる。」
「古代ギリシャ人は言った、哲学とは死の学びであると」
目が覚めたら、ここはどこだと思ってしまった。
すっきりときれいに片付き、余計なものがここには存在していないからだ。
昨日、突然のようにして部屋の掃除を始めた。
突然の入院と手術から二カ月間不在だったこの部屋。
やっと生還できてからの一カ月。
どういうわけか、私にはこの部屋を掃除しようという気が起きなかった。
それが、それなのに、あの朝のお日様と青空とに励まされたのだろうか、
「やるぞっ」と、まるで「せんたくかあさん」のように片づけを始めた。
片づけても、片づけてもだった。
数年前、数か月前の残骸と出会う。
「ああ、やらなければいかったなぁ」と、少しの後悔をしつつも、
やり始めたことは途中で投げ出すわけにはいかず、
やっぱり疲労感を友として、
ビニル袋いっぱいになるのでごみを詰め込んだ。
いらないものが、こんなにも溜まっていた。
そのごみの袋を見たら、いかにもどうでもよく生活していたかよくよく分かった。
意識することは、生きることだ。
感ずることは、生きることだ。
まず何よりもどうするか考えることから始めよう。
すると、身体もその考えに見合ったアクションを起こすものだ。
「悩まない」そんな暇を私には与えては、時間がやっぱりもったいない。
せっせと3時間もかかってしまった。
それだけしがらみが多く積もり積もっていたということだ。
確かに清々した。
そしたら、やっぱり私への約束を果たそうと、フリースを着て外に出た。
本町の蕎麦の名店「あき乃」へ野菜天ぷらと特盛の極上蕎麦を食べるため。
時間短縮にバスの乗ったが、萬代橋からはいつも歩く。
信濃川と遠くの角田と弥彦を見るだけで、胸がすく想いがする。
先週もはるばる山の下から歩いて行ったが、臨時休業だった。
昨日は、いつものように店には暖簾がかかっていた。
あの優しい叔母さんの笑顔で、いつもいつも迎えられるとほっとする。
店内にはいつものハードバップのジャズが流れる。
昨日は、マイルスデービスだった。
そのミュートのトランペットの音を聴きながら、
蕎麦焼酎を飲みながら、あの冷たく歯ごたえの奥深い小千谷蕎麦をいただく。
目を閉じて噛みしめると、蕎麦がやっぱり語りだしてくる。
味わうとは、素材と深く深く対話することだった。
一箸一箸に心が喜び、味わう度に身体全体に湧き上がる心地よさを感ずる。
蕎麦が、私の身体で蘇る。
まさにうまいものには、素材そのものが語るべき物語が存在するのだ。
まさに至福の時だった。
その後、この晴天の空気感を味わうために、万代経由で沼垂まで歩いた。
また、逆の方向で萬代橋を渡ると、朱鷺メッセとめであしっぷが美しかった。
沼垂への目的は、「沼垂ビール」だ。
そのクラフトビールの味わいもまた、深い深い物語だった。
立ち飲みのビアパブ。このコンセプトが私は快い。
ここで、Aさんの語っていた言葉が心に残った。
「きっといつかはこうなると、ずっと前に想っていたんだ。」
沼垂テラスの若い人たちが出している小さなお店も魅力的だ。
あの市場の数年前のシャッターを知っている人たちにしたら、
それはまるで夢のような世界だった。
突然、そこに昭和のレトロが出現したからだ。
その場所は真木よう子の「さよなら渓谷」のロケ現場でもあった。
変わるものだ。いつまでも同じものはない。
私は、最近「無常」を哀しむべきこととして考えず、
私にとって人にとってもよきこととして考えるようになっている。
変わるから、心配しない。
変わるから、ほんのわずかでも望みがもてる。
変わるから、悲観しない。
変わるから、今、ここで生きられる。
実際に、部屋は変わった。
もっと変わったのは、あの精神と身体との震災以降の私の生き方だろう。
潰されてみたら、消えてしまうどころか、
ああこれでもいいなぁと想える「自分」と、何だかやっと出会えたような気がする。
例え、6点も入れられるサッカーチームであろうとも、
常に0点で死守できるチームへと変貌することはありなんだ。
今のままではない、ということが、変わるということ。
だから、昼酒の散歩者が、その歩くそのことだけで生きている実感を感じる。
それは、それでいいと思われるからだし、
これが、いいと思えるからだ。-
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