サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
-
from: クマドンさん
2016/04/20 06:03:23
icon
どんな親父なのかなぁ
「親父たちよ」は、この題名だった。
私は、親父の独りとして自分が感じたことをここに書いている。
長男と次男がいる私は、彼等から見たらやっぱり親父だった。
どんな親父に見えているのか、感じているのかは、分からない。
私は、どれだけ親父らしいことをしてあげただろうか。
それも、正直言って、分からない。
「あおげば尊し」重松清さんの小説だ。
私は、この映画をシネウインドで数年前に観た。
題名だけで内容も分からないままで、この物語と出会った。
その頃、まだ私の父は生きていた。母もまだ生きていた。
私は、元高校教師だった加藤武さんの葬儀の出棺の時の、
「せんせい」「せんせい」という呼び声と、
後ろ姿で手を振って応えている彼の生前の姿に、嗚咽で身体が震えた。
「あおげば 尊し」だった。
最期の時を在宅で過ごす父。
その父を見とろうとする小学校教師である40歳の主人公。
今朝、今度は小説でその父に出会い、涙が流れた。
冷たく、厳しく、決して生徒からは慕われるはずのない父だった。
頑固で近寄り難く、そんなにお互いに話をしたこともない親子だった。
父の病床を見舞いに来る教え子は居なかった。
そうだろうなぁと、息子は想い、寂しい気持ちになる。
ただ、意識が昏々と眠るだけの父に、彼はやっぱり優しく語りかけている。
父との別れの時が近づけば近づくほど、息子は父に優しい。
そして、その頑固で厳しかった父を愛おしみ、受け入れて行く。
私は、どんな最期を迎えることかなぁと、
かってこの映画に感動した頃には想わなかった想いを、
この小説を読んだ後に想い、つい寂しくなってしまった。
私は、子どもたちにはどんな親父として、
子どもたちの心の中に生きているんだろうと・・・・。
昨日、ふと人のしたことには、いい、悪いはないのではないかと、
何だか突然考えていた。
できる、できないはあるだろう。
成功と失敗もあるだろう。
正しさと過ちもあり、確かに、正義と悪もあるとは想う。
でも、できなくても、いつかできるようにはなるとは思うし、
そのことをたとえできないままでも、その人はその人なんだし、
失敗と感じたら、そう想ったら心を入れ替えてやり直したらいのだし、
過ちは誰にでもあるとやっぱり認めたら、
人に傷つくことも、人を傷つけることも少なくなるだろうし、
正義が世界中で戦争を起こしたり、無実の罪を裁くこともあったりするし・・・・。
悪はやっぱり避けねばならないが・・・・。
いいと悪い。
私は、やっぱりどんな親父だったのだろうかと、
今は、苦い後悔と共に、そんなことを思っている。
何を言っているのか自分でもよく分からなくなってしまったけれど、
この高校教師だった父親は、独りの男としてその人生をきっと全うしただろう。
私にできることは、私がいいも悪くも私なりにここに生きて、
死んでいく様を子どもたちには見せることなんではないかと、
昨日のIさんの葬儀に参列した時にも、それを想った。
出棺をこの父親は、「あおげば尊し」で送られた。
Iさんは、「雪山讃歌」で送られた。
私は、・・・・・。きっとそんな歌は、ないだろうなぁと寂しくも想う。
ただ、これまでは子どもたちに心配をかけ、過ちの多き人生だったが、
これからは、「親父たちよ」と、自分に語りながら、
この人生の最期までただ只管生きることだと、今は思っている。
やって来てしまったことはしょうがないよ。
これから先は、誰にも分からないよ。
だから、クマさん、今、ここを、クマさんらしく生きるだけだよ。
Iさんは、そう笑顔で語ってくれる。
「あおげば尊し」と「雪山讃歌」
そんな人生を、私も送りたい。-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 0
-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 0
icon拍手者リスト
-
コメント: 全0件