サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
-
from: クマドンさん
2016/05/16 05:48:56
icon
「大地を受け継ぐ」
「大地を受け継ぐ」
語りだけで、本物の映画はできる。
事実は、フィクションを超え、物語を超える。
私たちは知らなかった。
というよりか、忘れていた。
5年たった今も、放射能で汚染された大地で苦しんでいるひとたちのことを。
放射能は消えない。
それは、米や野菜を育てる大切な土壌だ。
その土を汚染されたら、そこに育つ作物とは、どんなものになるか。
でも、農業は大事な生業だ。
その土が汚染され、キャベツを8000個も潰さねばならなくなった時、
土づくりに心血を注いだ父親が、自死をした。
それを農業を継いだ息子が見つけた。
そこで作られた米の値段は下がり、
作られた野菜は、出荷しても売れないで残ってしまう。
美味しいお米ではなく、安心・安全なお米ですと言わなければ売れない米。
生産者ですら食べようとしない野菜。
それでも生きて行くためには農業を続ける。
この土地を荒らさないために、この代々続いた生業を終わらせないために。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
「あの時、何にも分からねかったっけな。」
「原発ができる時、反対すればいかったな。」
亡くなった父親が言っていたそうだ。
「人間の作ったものはいつかぶっこわれる。」
原発が爆発した映像を観て、
「もう農業はできなくなったな」と、
その翌日にキャベツ畑で父親は亡くなった。
原発さえなかったら。
どれだけの人たちがこの原発の爆発によって、人生が狂ってしまったか分からない。
なくてもいいものを、人は金のために創ってしまった。
創ってしまったら、それを維持するためにまだ膨大な金を使う。
そして、こんな大地震になっていてもせっかく止まった原発を再稼働する。
それは、止めているだけで膨大な維持費がかかるからだ。
川内原発は、あの熊本の地震でも止めなかった。
止めたら次に動かせる見込みがないからだ。
廃炉には数兆円のお金がかかる。
人は、本当に厄介な魔物を創ってしまったものだと思う。
原発は、いつか爆発する。
それは福島第一原発の事実がはっきりと語っている。
爆発した原発にいくら消防車で水をかけても無駄なことは、
今もメルトスルーして燃え盛っている原発の事実が教えてくれる。
この原発の廃炉のためには、途方もない税金が使われる。
そして、廃炉はいつになるのかは、誰にも言われない。
私が生きているうちに廃炉になるのだろうか。
柏崎刈羽の原発が爆発したら、新潟の農業は終焉するだろう。
それは、この樽川さんの語った事実から想像できる。
コシヒカリと言うブランド米はどうなるのか。
というより、私たちはここに住めなくなってしまうだろう。
それは、柏崎の人たちだけの問題ではない。
新潟県全体でこの再稼働については賛否を問うべきだと思う。
樽川さんが住んでいる村は、原発から62キロも離れている村だった。
原発は遠い町での出来事だと無関心でいられた距離だ。
なのにこれだ。
巻町に原発ができていたらと思うと、ぞっとする。
当時の巻町の人たちと笹川町長さんの勇気と英断に敬意を表する。
できるけれどもやってはいけないことはやらないことだ。
原発の安全神話等どこにも存在はしない。
それは、学者や企業が創作した架空の物語だ。
樽川さんの事実の方がリアルで、重い。
物語や神話はドキュメントを超えることはできない。
では、どうすればよいのか。
その「問い」をこの樽川さんの語りは、聴く者全てに与えてくれる。
「何を」をずっしりとした重みで語るドキュメンタリーの傑作だ。-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 0
-
サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。 - 0
icon拍手者リスト
-
コメント: 全0件