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from: クマドンさん
2016/08/21 17:10:58
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物語を待っている
さて、何もしない日曜日。
もうこんな時刻になっていた。
サッカーの天皇杯の新潟大会決勝をテレビで観た。
次男の友達が出場していた。
この真夏の炎天下に、本当に熱戦を繰り広げていた。
ここに居てもいい。
どこかに行かなくても、ここでいい。
年を取ったのだろうか、そんなことを感じている。
昨日、「ウエストサイドストーリー」を観た帰り、
ぶらぶらとやすらぎ堤を歩いていた。
そして、テーブルを並べていた屋台で、生ビールを飲んで川を見ていた。
ぎらぎらと太陽が照り付けて、痛いような夕方だった。
川の中で大きな魚が動いたようだ。
私はただ流れるまま流れて行く川面をずっとずっと見つめていた。
昼には「あき乃」で、蕎麦の特盛だった。
ちょうどそこに居た映像作家のTさんと話をしながら。
伝えられるものは物語ではあるが、感覚的に伝わる何かだ。
リアルな空気感とでも言うのだろうか。
黒澤ではなくて、成瀬なんだ。
感じられることの大切さ。
きっとそこで感ずることでの、涙となるのだと、話を聴きながら感じた。
その感じがつかみたかった。
その感じを実感したかった。
ミュージカルの歌にはその感じがある気がした。
マリアの歌や、トニーの歌には、涙が流れた。
一所懸命なその群舞には、圧倒され、涙が流れた。
その感ずるものを創りたい。
今は、ずっとずっと離れていたそうした物語が、
再び私の中に戻って来ることを願っている。
それでは、その物語とはいったどんな物語なのだろうか。
その言葉が、私を通して、私を使って現れることを今は待っていた。
すると、メデアシップで、懐かしい人に声をかけられた。
劇団で一緒にやっていたHさんだった。
彼とは、不思議なる出会いだった。
彼は、私で、私が、彼でもあった。
それは、家族のことも同じだった。
「そうだよねぇ」「分かる分かる」が共通の想いだった。
「飲みますか」と言われて、また萬代橋脇のテーブルに戻って行った。
彼の母の話を聴いた。
介護についてのこれからの話だった。
何と彼は、私が手術をする時、
手術室で背中の消毒をしてくれた、
看護師のKさんの結婚祝いの二次会に参加するとのことだった。
彼女もまた劇団の一人だった。
そんな偶然は、やっぱり必然だったといつも感ずる。
「またHさんと、一緒にやりたいなぁ」と、心から感じた。
私は、そうやって語りながら、向こうからやって来てくれる物語を待っている。
「新潟から新潟だけのミュージカルを発信しよう」
「レミゼのような、レントのような、魂に響く物語を」
それは、劇団のSさんとの昔々の約束だった。
私の夢は、そんなミュージカルを創ること。
だから、「春のホタル」はありがたかった。
Hさんは、その舞台で主役を演じてくれた人だった。
やっぱりここで会ったのは、偶然ではなくて必然だったと今も想う。
昼には、小千谷蕎麦で、Tさんの映画講義を聴くことができた。
感覚的に感じられるものを創ることだ。
今、ここ、ここに在るものを在るがままに物語にできないだろうか。
そして、劇団四季のミュージカルに感動をして、
「ものがたり、ものがたり・・・」と、やすらぎ堤を独り歩いた。
すると、劇団の仲間と出会い、
あの頃の熱かった日々を思い出した。
賭けていたし、本気だったし、馬鹿だったし、一途だった。
ああ、お互いによき時間を生きたものだと、その感慨は2人とも同じものだった。
「また、飲もうよ」と、握手で別れた。
炎天下で熾烈を尽くして闘う者たち。
その闘いに再び私も還りたいと、ふとふと想っている。
何だかどう言ったらよいのか分からないが、
「物語を待っている」
静かに私の中で私だけの物語が発酵することを、待っているような気分でいる。-
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