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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/03/23 15:12:40

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    恐怖のMR

    R病院にMRを撮りに行った日のことだった。
    妻は、職場を休み、私を病院に連れて行ってくれた。
    私は、座席に座れないので、
    後部座席の足を置く部分に四つん這いになってうずくまった。
    ここに来るまでも大変な痛みだった。

    まず、着替えである。二階の部屋からは階段がある。
    靴下が履けない。靴を履けない。玄関から車まで。
    発症するまではほんの数分。何気なくさっさと行っていた行動が、
    全て激痛との闘いとなる。
    痛みが怖いので、身体をかばった動きをしても、やっぱり動けなくなるほどの激痛だ。
    私は、いつも「これは拷問だなぁ」と感じている。
    理不尽に、いつも絶えず終わりなく激痛がある。
    その痛みと、身体の不自由さとが、私をどんどん孤独にして、
    自己否定的な私に変えていく。

    「もうだめなんだ」「このまま生きていくことはできるんだろうか」
    「治らないかもな」と。
    病院に着いてからが大変だった。
    車をやっと降りたのに、そこから一歩も前に進むことができなかった。
    妻が車を止めたまま、車椅子を借りてきてくれた。
    しかし、坐骨神経が痛み、座ると跳び上がるほどの痛みだった。
    車椅子の押すためのハンドルを握ったまま、私はそこに呻きながら突っ立っていた。

    そこに屈強なおばさん看護師さん2名登場。
    「車椅子に乗ってくださいね」と、選択肢は確かにこれだけだった。
    仕方なく、私は身体を九の字に曲げて、右を向くようにしてそこに座った。
    衆人監視の待合室では、声を出して耐えるわけも行かず、
    ただただ脂汗が流れるばかり。
    さっさとMRの入り口まで連れてきてもらったけれど、
    この体制では気の狂わんばかりの痛みだった。

    「お願いします、寝かせてもらえませんか」と、
    私が頼んだら、ストレッチャーに寝かせてくれた。
    この椅子からの移動も、並々ならぬ努力と痛みとの闘いだった。

    実は、一昨年の冬からの私の長い長い闘病生活の始まりは、
    このMRの検査からだった。
    胆石の痛みで入院しながら石を発見できないまましばらくそのままの入院生活だった。
    その内に、どんどん血液の数値が悪くなってきたようだった。
    そんな最中に、このMRの検査によって私は胆石を発見され、
    簡単な内視鏡手術を受けたはずだった。
    しかし、経験の足りない若い医師によって、手術は失敗し、
    私は胆管を切開され、腹膜炎となった。
    私が生死を彷徨った原因は、この病院のMRの検査のおかげだった。

    だから、私は、ここには来たくなかった。
    きっとまた何かが起こる。そんな嫌な予感がしたからだ。
    検査をするために、私はストレッチャーから冷たい検査台に移される。
    若い男性三人で「よいしょ」と移動だった。
    実は、この技師の一人が、私の昔の教え子だった。
    彼が、私の胆石を発見した張本人だった。
    「また来たよ」と、私は声にもならない声で彼に挨拶をした。

    前回はご臨終手前で緊急転院するために救急車に運び出される私のことを
    彼は見送ってくれた。
    「がんばってくださいね」と、
    午後9時過ぎなのにどうして彼はあそこに居たのだろうか。
    何だか彼と会うときは、瀕死の状態ばかりだった。

    「思い出してくれましたか」と彼に言われた。
    彼のすっかり変わった面影からどうしても名前が浮かんでは来ないのだった。
    すまないことだった。
    MRは長い長いトンネルの中だった。
    これは閉所恐怖症の人にはたまらない拷問だと思う。
    私もいつも不安を感ずる。

    終わってからも、私はストレッチャーのまま、廊下に寝かせてもらっていた。
    「彼の名前を教えてください」と、もう一人技師さんに聞いた。
    「ああ、Aだった」と、私は思い出した。

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