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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/04/22 11:43:44

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    風は止むときはなし

    少々二日酔いである。
    何だかねぇ。日本酒を飲むと、ブレーキがきかなくなってしまう。
    豊栄での飲み会には、必ず帰りの電車での菊水を一本仕入れておく。
    道連れがある時は、その人のためにビールを用意する。
    新潟駅で飲めば、また金がかかる。
    電車を移動の居酒屋とする。

    その分、駅からは1500円のタクシーで帰宅する。
    近くのコンビニで降りて、また菊水を買う。
    帰ってからカレーを温め、ご飯にかけて、それをつまみに酒を飲む。
    その結果どうなるかは分かっていても、やっぱりやってしまう。
    その繰り返しが人生だ。

    それにしても、動けるようになったものだ。
    先週の土曜日には、妻とのバス旅行だったが、さんざんだった。
    バスの座席には腰を浮かして座り、歩けば十歩歩いて十止まる。
    同行の妻には呆れられ、最後はおいてけぼりで独りで帰った。
    ずっと使っていなかった足を使ったために、
    どっと痛みが押し寄せたのだろう。
    何事も徐々になんだな。

    さっきまで久しぶりの庭だった。
    キャンプ用の椅子に座れるようになった。
    それはそれで嬉しいことだった。
    庭は、野草で生い茂っていた。
    たいしたものだと、その生命力と繁殖力とに驚いている。
    私が寝たきりだったおかけで、この子たちはのびのびと育っている。
    何だかこれから手を入れて、きれいにしてしまうのも可哀想な気がする。

    草ぼうぼう。
    それもまた良しではないかと、想ったりしている。
    どれだけの種類の野草が育っているのか、ちょっと興味もあった。
    こんなところにと、カタバミの小さな黄色い花だった。
    それから、白菜の茎は1メートルに達し、小さな菜の花を咲かせている。
    キャベツの茎もみるみる伸びて、もう少しで花が咲く。
    ブロッコリーには、小さな小さな黄色い花だ。
    食べられずに放置されることで、この野菜たちも花を付けられた。

    何だかねぇ。何となくねぇ。生きることが哀しくなっていた。
    ああ、生きていていいのかなぁ。
    何だかねぇ。ふとふと、生きていることが無性に寂しくなった。
    これは、二日酔いのなせる業だった。
    あの激烈な痛みの中で心配していたことは、
    もうこの身体は元には戻らないのではないかということだった。
    この痛みとは、これから一生付き合っていかねばならないのではと、
    そんなことを勝手に想い、絶望感の中だった。

    それなのに、こうして豊栄まで飲みに出かけられる身体となったのに、
    やっとこうして歩けるようになったのに、
    私は、それなのにどこか寂しく、孤独で、哀しくなっていた。

    「心を観る心なし」
    本当に妄想ばかり、余計なことを考えるから、こんな気持ちになってしまう。
    心無し。自分も無し。ただ、在るのはカタバミの花。白菜の花。
    やっと庭に出て、日向ぼっこをすることができたのだから、
    ただ、この花たちや野草たちと一緒に、ぼーっとお日様を浴びていたらいいのだ。

    そうすれば、いつの間にか、何かは変わる。
    同じということも、止まるということもない。
    この風は止む時はなしなのだ。
    それを信じて、ただなんとなく生きていたっていいのではと、野草たちに教わった。

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