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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/06/12 06:12:53

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    「毒もみの好きな署長さん」

    昨日の賢治の会のテーマは、
    「毒もみの好きな署長さん」だった。
    プハラ国の憲法の第一条に
    「火薬で鳥を撃つこと。毒もみで魚を捕ること」が禁じられている。
    毒ももみとはある植物の皮と灰とを混ぜて造った薬のことだ。
    手間暇かけて丹念に作られたこの毒もみを、
    川や湖の中でもんで薬を溶けださせると、
    それを飲んだ魚たちが痺れてしまって浮いて来る。
    そうした卑怯な漁をこの国は禁止していた。

    それなのに、その毒もみ漁が死ぬほど好きな警察署長が赴任して来る。
    人柄のよさそうな、優しい署長さんだが、
    どこか怪しいところがあった。
    そして、とうとう彼が毒もみで何度も何度も魚を捕っているという、
    内部告発が子どもたちから出された。
    そして、みんなも怪しいぞと声に出した。

    その声を無視するわけにもいかなかったので、
    町長が巡査を六人連れて、署長のところにやって来た。
    「毒もみをやった人がいる。まさか、君ではないかね」と、町長が言うと、
    署長は椅子から突然立ち上がって、
    「その犯人を私は知っています」と言った。
    「その犯人のことは、私の名誉にかけて逮捕します」とも言った。
    「その犯人は、いったいだれかね」と、驚いた町長が聴くと、
    「この私です。私が、毒もみをしました」と、自分から逮捕された。

    さてさて、刑場ではこの署長笑みを浮かべて刑に服した。
    丸い刀で首をストン斬られたのだ。
    でも、笑っていた。
    「さてさて、地獄に行ったらまた大好きな毒もみをしよう」と。

    その最期を見ていた衆人たちは、
    この署長の何とも名誉を守った、潔さに感服したそうだ。

    私たちが、この摩訶不思議な物語を読み、語り合い、
    9人の互いの考えを出し合い、分かり合いながら、
    「ああ、そうか」と、このことに合点が行くまで一時間かかっていた。
    「感服」という言葉が、腑に落ちた。
    署長は、署長としての名誉のために、言い逃れをせず。嘘をつかなかった。
    法を守る人として、その責務を自分を逮捕することで全うした。
    例え、死刑となることは分かっていても、
    「私がやりました」と、自白した。

    賢治は、すごい人だ。
    この現代の社会の矛盾をすでにここに描いていた。
    こんな物語がある。
    M省の大臣と役人が居る。
    国会と言う厳粛な場で、こんな発言を繰り返す。
    「そんな文章は見たことがありません」
    「そんな出所の分からない文章のための再調査はしません」
    「同姓同名の人は確かにいます」
    「そんなことを聴いた人は、調べてみたら一人もいません」

    この人たちは、この国の教育の在り方を決める人たちだ。
    全ての学校教育の頂点に立ち、統括し、指導する人たちだ。
    教育の未来とは、この国の未来でもある。
    そこには、正義が在り、真実が在り、善さが在り、信義があるはずだ。

    自らが、その自らの職責を知り、それを全うしようというのなら、
    「嘘」「偽り」「偽証」「知らぬ存ぜぬ」は、いかがなものだろうか。
    ヤンキー何とかという人が居る。
    国家権力と真っ向から闘い、信念をもって生きている人たちと私は想っていた。
    ある県のいじめ事件には、直接乗り込み、厳しい指導をしていた。
    「やるなぁ。官僚にもこんなに骨のある人が居たのか」と、
    私は、ある意味「感服」をしていた。

    内部告発をする人が居る。
    そしたら、その人たちへの魔女狩りが始まり、
    「黙るように」と、政府からの直々の命令だった。
    何を恐れているのだろうか。
    何を守ろうとしているのだろうか。

    守るべきは、正義だ。
    恐るべきは、嘘・偽りだ。
    そんな簡単なことも分からなくなってしまった人たちが、
    国の大事な教育を司っている。
    これでいいのか。

    「毒もみの好きな署長」は、
    「私がやりました」と、はっきりと言って、死刑にまで素直に服した。
    それは、彼の警察署長と言う名誉を彼が守ったからだ。
    人としての自尊心を守っただ。
    彼は、恥を知っていた。
    自分に恥じる生き方はしたくない。でも、毒もみは大好きなんだ。
    だから、観念した。ここまでと想った。だから、言った。

    あの場に立って証言している人たちは、
    人としての己のことをどのように想っているのだろうか。
    「毒もみの好きな署長さん」を、M省のお役人にお勧めをする。

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