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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/08/14 06:19:47

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    お盆だねぇ。お盆だよ。

    四日間の仕事の疲れが、どっと来ている。
    お盆のために、座敷の掃除だった。
    日頃は、次男によって占拠されているこの部屋に、
    父と母の仏壇が置かれてある。
    何だかねぇ、お盆の時だけで申し訳ないけど、
    やっぱりねぇ、きれいにしてあげないとなぁと、
    さっさと次男を追い出して、掃除することにした。

    父と母とは、どこにいるのかねぇ。
    今でも、ここに居てくれるように感ずることがある。
    魂の人になったのだから、身体はもういいんだな。
    だから、私が想う度に、ここに現れる。
    そうだと、信じて、そうだと感じて、時々、想い出す。

    ある夜は、夢の中にまざまざと登場する。
    死んだ人としてではなく、今もそのドラマを生きている人としてだ。
    目が覚める瞬間、あっ、お母ちゃんだったなと、懐かしく想いだす。
    想う時、必ずそこには、想われた人の想いが現れる。
    だから、お墓に行っても、何だか、ここじゃないのになぁとも想う。
    確かに、お骨はここにあるけど、
    人は、お骨なんかじゃないから、あれはもぬけの空っぽなんだな。

    でも、たくさんの人たちがお参りに来る。
    雇われたお坊さんたちは、大忙しだった。
    あっちに呼ばれ、こっちに呼ばれ。
    とにかく数を熟さなくては商売にならない、ならない。
    こんなにも何度もありがたいお経を聴かれる日も、そうあるものではないな。

    向かいのHさんがスペインから呼んだ女流画家の個展が昨日までだった。
    庭仕事をしていたら、「行ってあげてよ」と、Hさんに言われた。
    どこにも出かけていなかったので、そうだなぁと、自転車で出かけた。
    「絵屋」だった。
    亡霊の描かれた絵は、私には到底感じられない世界だった。
    もっと英語が話せたら、彼女といろいろと語り合えたのにと、
    そのことを名残惜しく感じながら、
    私は、古町にあるお寺に自転車で向かった。

    ここには、私の祖父と祖母と叔父が眠っている。
    祖父には会ったことが無い、戦後まもなく病で亡くなったからだ。
    両親が共稼ぎだったために、私は、祖母の家にあずかってもらっていた。
    私は、我が家の初めての男の内孫であった。
    とにかく、語り草だが、祖母は私を徹底的に可愛がってくれたものだった。
    私の、心根は、この祖母が培ってくれたものだ。
    その根っこがあったから、今の私がここに居る。

    無言の教えとでも言うのだろうか。
    教えとは、決して言葉ではないな。その人の生き方を感ずることだなと、
    祖母のあの着物姿を想いだすと、そう感ずる。
    もし、何かをふと感じたら、
    きっとその奥深い根っこには、
    この婆ちゃんの教えがあると想う。

    婆ちゃんがいたから、母がいて、叔母ちゃんたちがいた。
    みんなそのことが、私にとっては心根の養分となっている。
    家とは、そんなものだし、それだから、大事な、大事なものだった。

    昔、お盆になると、婆ちゃんは母や叔母やちっちゃな従妹たちを連れて、ここに来た。
    夕方から夜にかけて、赤いちっちゃな提灯が揺れて、
    何だか久しぶりに親戚のみんなが集まるから、嬉しいやら、恥ずかしいやらだ。
    古町から満員のバスに乗って大山に帰ると、
    古泉さんで、氷水をみんなで食べた。
    私はいつもイチゴミルクだ。
    この日だけは、ミルクをかける。ちょっとの贅沢。婆ちゃんの驕り、驕り。

    その想い出の中で、婆ちゃんは生きている。
    この想いこそが、婆ちゃんや、お父ちゃん、お母ちゃんの生きる場所だ。
    私の想いの中には、こうしてちゃんと生きていなさる。
    だから、古町のお寺で、祖母の古ぼけた色の墓を撫でながら、
    ここには、いないんだよねぇと、独り想った。
    死者は、みんな想いの中で、ちゃんて生きていて、呼びかけているのだから。

    さてさて、そうは言ってもお盆はとてもいい風習だ。
    きっと懐かしいみんなが実家に集まり、わいわいとはしゃいで、
    酒を飲んでいるのだろうなぁ。
    そんな幼い頃のお盆の想い出が、その心根をきっと育ててくれるはずだ。

    帰りに「せきとり」に行ったが、やっぱりだった。
    17日までお店での飲食はなしだった。
    お盆だよね、駐車係の叔父さんが二人も道路に立っていた。

    お盆だねぇ。

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