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from: クマドンさん
2017/08/18 09:07:05
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続く、続く、続く、
昨日、人間ドックだった。
昨年のドックでは、お腹に穴が開いていたので、
腹部エコーはできなかった。
昨日は、担当の女医さんが私の傷の跡を見て、驚いていた。
「大変でしたね」だった。
7カ月で2回、同じ個所を執刀しての大手術は考えられないと想った。
そうなんだな。
私には、考えられないようなことばかり起こっているんだ。
でも、きっとそれは、全ての人に言えること。
人は、想ったようには、考えたようには生きられない。
そう観念すれば、ある意味、起こったことを受け入れて、
いつか我が身にやってきただけと、そう想うしかないのだなぁと思っている。
8月になってから、鉢に植えたスダチが元気に新緑を出していた。
おお、育った育った。
その葉の上に、アゲハチョウが卵を産んだ。
ある日、その卵からちっちゃな幼虫が孵った。
ちっちゃなうちは、茶や黄土色のようなまだらで美しさを感じない。
その内にあの緑色の幼虫に変身する。
この前、鳥から守ってやろうと、イチゴパックに入れたら、
一匹だけ遺して、他の4匹が脱走した。
そして、その4匹は、無駄死にをしてしまった。
その反省から、自然の成り行きに任すことにした。
とにかく食欲が旺盛な幼虫たちだ。
ばりばり食べて、もりもり大きくなった。
5匹までは確認できた。
時々、幼虫の額を撫でて、声をかけた。
さて、昨日、スダチが坊主になっていた。
若い葉は、全て食べ尽くされていた。
そして、よくよく見たら、たった一匹だけの幼虫だった。
鳥だろうか、「いただきます」と、他の四匹を食べてしまったのだろう。
「お前だけでも、生きてくれよな」と、またまた自然のままに任せておいた。
しかし、今朝見たら、一匹もスダチにはアゲハの幼虫はいなかった。
全部、鳥に食べられてしまったのだろう。
このスダチは、妻の実家のお母さんが、
もらったものを、私がもらったスダチだった。
昨年、そしたら、さっそく、アゲハの幼虫だった。
バリバリとまた背の低かったスダチは、
あっという間に、坊主になった。
そこで、幼虫のためにと、コメリでポンカンの苗木を買って来た。
「ほら、新しい家だよ」と、見たら、もう食べられて、どこにも姿は見えなかった。
食べられた幼虫は、今、どこに居るのだろうか。
土から芽を出したスダチは、すくすくと育ち、葉を茂らせた。
その葉をアゲハの幼虫は、ばりばりと食べ尽くした。
その幼虫を、鳥が来て、ぱくりと食べた。
では、その鳥は、どうなるのだろうか。
大きな鳥に食べられて、糞になるかもしれないし、
そのまま天寿を全うして、土に還るかもしれない。
そしたら、その命をいただき、肥やしとした土は、
そこに落ちたスダチの種を土の中でゆっくり育て、
スダチは、きっと小さな小さな芽を出すだろう。
ということで、続く、続く、続くなんだな。
始まりもなく、終わりもなく。
続く、続く、続く・・・・が、永遠に続くんだな。
それは、人も同じ。
その円環の定めの中で、やっぱり人も生かされている。
そのことを、人は、ただ忘れているだけなんだ。
スダチは、無心で食べられる。
アゲハも、無心で食べられる。
鳥も、無心で食べられる。
そして、土がほんの少し命をいただき、
それを無心で、何かに手渡す。
始まりもなく、終わりもない。
あのあどけないアゲハの幼虫の顔が、
何だかそんないのちの旅を語っていた。
じたばたしていなかったなぁ。
ただ、むしゃむしゃと食べていたなぁ。-
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