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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2017/09/29 06:14:21

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    次は、笛だ。神楽の笛だ。

    今、師匠に教わりながら、篠笛の稽古をしている。
    「高森いざや神楽」の笛の音だった。
    山ノ下祭りのお囃子にも笛がある。
    いつか私も笛を自由自在に吹ける人になりたい。
    山ノ下ではSさんが、目指す私の憧れの人だった。

    きっかけはどこからやって来るのか分からなかった。
    神楽の笛を吹く名手Sさんと、お知り合いになれた。
    保存会でも笛を吹く人が少なく、後継者を養成したいとのこと。
    「私を、ぜひ、一番弟子に」と、さっそく弟子入りを希望して、認められた。

    音は、出ない。
    エアギターは見たことがあるが、エアー笛とは、私だけの特許かな。
    とにかく、最初は、どんなに力んで頑張って息を吹きだしても、
    音は、風のようにすーっとか、ひーっとか鳴るだけだった。
    しかし、音となるうちはまだいいほうだ。
    本当に、息を吹きつける枯れ果てた音しか聴こえないことが多い。
    過呼吸で、何だか目眩がしそうだった。

    そこで、とにかく体感するために、工夫した。
    まず、吹き口と唇の位置である。
    まさに見様見真似で、いろいろな位置を試みる。
    ヒットすることもあり、空振りばかりの時もある。
    いい音が一瞬出ても、その音色を続けて吹けなかった。
    それでも、また呼吸を整えて再びのトライだった。
    吹き始めてから1カ月。
    今は、微かに音を最後までつなげられるようになった。

    どうして笛が鳴るのか、未だにそのからくりが分からない。
    ただの一本の竹であり、中ががらんどうの竹でしかない。
    左端に吹口があり、六つの穴がその下には開いている。
    師匠に習って、数字の譜面を作った。
    5565 53212 
    これが神楽の練習用の譜面となった。
    それをあっちこっちの壁に張っている。

    しかし、音が、身体に沁みていない内は、
    その微妙な味わいのある音色や響きとはならなかった。
    やっている途中に、音を忘れると、どうにもならない。
    ここには、リズム・調子が表現されていないからだ。
    「どうだったっけ」と、途方に暮れる。

    師匠に習う日は、師匠に吹いてもらい、その横で私も吹いて行く。
    音の全く出せない情けない弟子だが、
    その内に、門前の小僧だ。身体にその独特の調子が染みてこむ。
    習うって、やっぱりこういうことなんだな。
    親鳥の羽ばたきを見て、雛たちが羽ばたきの稽古をする。
    その姿から。「習」の漢字ができたそうだ。
    まさに、羽ばたきを私は弟子として習っていた。

    そこで、はっとする瞬間が訪れる。
    「あっ、そうか。そうだったのか」だ。
    それは、私が修練して、修練して、一歩も半歩も進まずに、
    四苦八苦している時に、その天啓は訪れる。
    師匠のその指の動かし方や、唇の当て方、首の傾き、
    その姿形そのものから、「あっ」という気付きが生まれる。

    不思議なことだ。
    習うとは、本当は、こういうことだったのだと、
    今は、習うこととは何かを実感として味わっている。
    太鼓と同じで、出来の悪い弟子である。
    でも、太鼓も笛も、私は好きでたまらない。
    何とか自分のものとしたい。
    その一念は、その一心はここにある。
    だから、きっと、どんなに下手くそでも続けられるのだろう。

    しかし、哀しいかな。下手くそなんだ。
    昨日は、練習していたら、「煩いからやめてください」とのクレームだ。
    「ごめんなさい」と頭を下げた。
    それでも、やっぱり吹きたくなる。うずうずする。

    何とも言えぬ、人であると、自分自身をそう想い、呆れることもあるな。

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