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from: クマドンさん
2018/01/08 07:25:36
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今、ここを、ただ、味わう
あまりにもぽかぽか陽気だったので、
自転車で久しぶりに万代島一周に挑戦した。
まず思い立ったら吉日。
躊躇せずに身体を動かす。
動きながら身体の塩梅を見て、どうするか決めたらいい。
昼は、久しぶりの三宝亭で野菜たっぷりの味噌ラーメンだった。
無性にこれを食べたくなることがある。
いや、食べるのではなく、きっと私は味わっているのだと想う。
何故、この味噌ラーメンなのか、それは身体に聴いて欲しい。
麺と野菜とスープを口にするとき、
ほんのその瞬間に味がある。
その味わいを心地よく感ずる。
「うまいなぁ」と、ついつい口に出たりする。
美味いものを味わっている時、それは私の至福の時だった。
そのおかげで減量どころの騒ぎではない。
現状維持が精いっぱいの状況だ。
なのに、やっぱり、ラーメンだ。
舌を通過するほんの細やかな時間だけが、楽しみの時間。
その後は、そのラーメンはカロリーとなり、
消化されて、私の血と成り肉となる。
体重になるだけなんだから、我慢すればいいのに、
そうはいかないこの宿命なんだな。
でも、味わうということの楽しみは、
確かに私にとっては大事な大事な楽しみの一つだ。
これは、身体が動かなくてもできる楽しみだ。
今日は、「あき乃」がお休みで、ちょっと悲しいが、
あの店で小千谷蕎麦を食べ、蕎麦焼酎をいただくときの感動たらないね。
しみじみと、噛みしめ、しみじみと、味わう。
美味しいものは、語ってくれる。
本当にそうなんだ。
美味しいものと、深い味とは、私はしみじみと語り合える相手。
さて、味わうだ。
Sさんと電話で話した。
「歳をとってよかったことは、この人生を味わうと言う、
そんな生き方ができるようになったことですかね」と。
自転車で海岸線をずっとずっとひた走った。
膝が痛く、脚力が落ちたために、スピードは全く出なかった。
難儀さのあまり、何度休んだことだろう。
その間、ずっとずっと変わらず海はどどんと轟いていた。
真っ白な波しぶきをテトラポットで上げていた。
何年前と変わらない風景だ。
今、自転車を漕いでいるのは、還暦の私。
その変わらない同じ風景に居ながら、
何だか、数年前の私を、そこで味わっていた。
懐かしい公園の木道を歩きながら、
その歩くと言う一歩一歩を味わっていた。
関屋分水からは、新潟マラソンのコースだった。
若きあの頃、ぐんぐんと追い越して突っ走っていた私を、
いつしか味わっていた。
信濃川沿いに流れ行く景色。
何も変わり映えしないその景色だが、
不思議と何かとても懐かしく味わっていた私。
味わうとは、食べることではない。
味わうとは、何かぐっと深くで感じること。
味わうとは、この朝焼けに朱色に染まる雲を眺めること。
味わうとは、身体に沁みること。
味わうとは、それを想いだし、懐かしむこと。
味わうとは、語り合うこと。
味わうは、身体なんだなと、Sさんと合点だった。
「今、ここ、しかありませんね」
本当にそうだった。
柳都大橋を自転車で渡りながら、
どれだけこの橋を渡ったことだろうか。
いろいろな想い出、いろいろな出来事、確かにここにあった。
それは、私の記憶の中だけに存在する、
小1の長男と4歳の次男の姿。
それを、しみじみと味わった。
「身体ですね」
「もう、考えることは、やめにします」
「ただ、こうして、今、ここを、味わいますね」
さてさて、今日、一日が始まった。
朝日に東の雲が輝いている。
私は、今日、何を味わって生きていこうか。
頭では考えない。
何もしなくてもいい。
ただ、その今、ここを、味わっていたい。それだけだ。-
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