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from: クマドンさん
2018/01/11 06:19:55
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味わうことこそ
さてさて、身体の言葉を毎朝聴いている。
ストレッチとは、そういうことだ。
対話という言葉がある。
対という言葉は、向かい合うという意味でもあるが、
一体という意味でも使う。
私は、聴くことで、深く何かと一体になれる気がする。
「林住期」という生き方がある。
五木寛之さんの本から教えてもらった。
50歳から75歳までを言うらしい。
まさに「下山の思想」そのままの生き方だ。
衰える。病になる。身体が不自由になる。
それをみんな自然のことと受け入れる。
そして、仕事や家族とも離れて、林で独り暮らす。
あの詩人の加島さんは恵那の谷の山小屋で独り暮らした。
そうした生き方だ。
そこで、何を想うか。
「解脱」を想う。
「生きている意味」を日々、味わう。
そんな生き方だ。
こんなことも言っていた。
自分が股関節の痛みから、歩くのが不自由になった時、
周りに杖をついて歩いている人がたくさんいたことを知ったと。
私も坐骨神経痛でどうにもならなくなった後、
杖をついて歩けるようになったら、
同じようにして杖をついて歩いている人に気が付くようになった。
その人たちは、ずっとそうやって歩いていたのに、
歩ける私は気付かず、歩けなくなった私は、気付いた。
人は、置かれている状況や味わわされる体験によって、
見える景色が変わるものだ。
その気付きを、味わう。
その味わうことは、その時の、今、ここ、でしかない。
それはそうだ。
美味いなぁと感動して食べた太威の担々麺を、
ここで味わっているわけではないからだ。
味わうということは、即時、その瞬間、そこしかない。
でも、身体がしっかりと覚えている。
身体に沁み通った味わいとは、けっして消えるものではないからだ。
たった今、ふっと感じた。
「味わう」ことは、即時の今だけ。
味わうことで身体が喜び、満たされ、その味は記憶される。
味わうことは、身体の対・一体とすること。
味わうことで、その味わいは、自分自身となれる。
いや、味わうことの感動によって、
私は、私の身体に既にあった自ら知らなかった味わいを、
やっと発見することができる。
つまり、味わうことで、その味を初めて自分自身であったと確認できる。
味わうということは、即時、その時である。
味わうということは、自分自身の新たなる気付きであり、発見である。
味わうということは、その味わいに「意味」があると気付くことである。
つまり、味わわない限り、そのものは、私の身体とならなのである。
だから、「味わう」ことは、大事、大事。
そして、はっと気付いたことは、
私は、言葉を言葉として「味わって」生きているのではないかということ。
つまり、言葉も「味わう」ことによって、
自分自身のものとなり、自分自身への新たな気付きとなるということ。
では、その言葉を、意味として味わっているのは、
きっと私の魂なのだということだ。
担々麺は、身体が味わい。
言葉は、魂が味わう。
そして、身体と魂とは、対であり、一体で不可分なんだ。
それがまさに、絶対矛盾的自己同一なんだな。
味わうとは、そうした身体が喜び、魂が喜ぶ、
その即時、今、ここを、実感することだった。
そして、味わえる感動ができるのは、
きっと私が、ここで、衰えながら、病を抱えながら、身体の不自由を感じながらも、
生きているからこそ、ではないかと想われた。
ああ、「味わう」ことに徹したい。
そして、味わったものは、どんどん忘れて、消え去って行ってもいい。
そしたら、次の担々麺・次の言葉なんだ。
音楽も、エッセイも、映画も、ドラマも、演劇もそうなんだ。
それは、魂が味わい、自分身体に昇華するものだ。
担々麺は、消化・吸収されて、私の身体と変わる。
言葉は、昇華されて、私の魂の栄養となる。
「林住期」とは、そんな「味わい」のある時節ではないだろうか。
そんな味わいをもって、日々を生きられる、老人になりたいものだ。
流れ、過行く時を、深く味わう。
そんな生き方ができたら、自然に委ねて、泰然自若かな。
「人間 本来無一物」
「無常迅速 生死事大」
「そうでなくて、本来は、どこまで自分というものを消して行けるかが
人生なんだ。自分を消し、自分がいなくなれば、当然それは、
自然とか、宇宙の側へ開けてゆくでしよう。」 池田 晶子
「言わば、生きながら死んでゆくのが、人生の自然なんだ。」-
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