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from: クマドンさん
2018/01/19 06:23:52
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深いものの顕れとなる
昨日は、東区ボーイズの合唱の稽古だった。
合唱はいい。
歳をとればとるほど、その味がよくわかってくる。
声を出すことは、自分自身と出会うことだ。
その声を響かせるということは、
ここに自分が居るのだと言う確認でもある。
自分の声だけを主張すれば、
それは単なる我がままの歌となる。
お互いの声の中に、自分の声を融け込ませる。
その調和の中に、自分を響かす。
その時は、やはり至福の時でもあった。
それぞれの声の質も音も響きもみんな違う。
ボーイズとは言っても、年季の入ったオールドボーイズの集まりだ。
まさに、人生経験の豊富な人たち。
船乗りならば、七つの海を制覇して、
今は港に着き、悠々自適で気楽な暮らしの老船長だ。
だから、歌う姿だけでも、存在感を感ずる。
このオールドボーイズたちが、
本気でロシア民謡や童謡を歌っている。
それはあんまし上手いとは言えない出来栄え映えかもしれないが、
やっぱりその歌声には、その人が経て来たいぶし銀の人生が顕れる。
その自然として、深いものが顕れるか、どうかなんだな。
太威の店長と話した。
というよりか、私が一方的に語りかけた。
いつものように「担々麺」を深く味わい、語り合った後だった。
一口一口が深い深い味わいだった。
私は、ここの担々麺と出会ってから、
「深い」とは、どんなことなのかと、考えるようになった。
まず、「深いものとは、もっともっと深くなるもの」だと言うことだ。
「浅いものは、どんなににんにくや辛子味噌、胡椒を足しても深くはならない」のだ。
次に、「深い味は、身体が喜ぶ味である」ということ。
「味は舌で感じるのではなく、五臓六腑が味わっている」ということ。
ところが、「身体がこれだと喜ぶ、そんな深い味とはめったに出会わない」こと。
「新しい店を開拓しても、外れることが多く、だからここに還って来る」こと。
「つまり、身体がこの深い味を自然に求めている」ということ。
ということは、「身体そのものが、自然にこの味の原型を知っている」ということ。
つまり「ここにあるから、あっ、この味だと気付く」こと。
すると、「身体の中で眠っていたその味が、覚醒する」こと。
そうなると、「やっぱりその味を味わいたくなる」こと。
ただし、「その深さとは、職人の魂を込めた味である」ということ。
「この味を創った、その職人の身体に沁みこんだ、その味であった」こと。
つまり、「その職人も、その味が身体にあったことに覚醒した」こと。
すると、「その味は、この世に誕生する」ということ。
ただ、「その味を出すためには、限りない時間と、試練と、試行錯誤の連続」である。
この店は、定休日が無く、彼は、自分のいのちを削ってこの味を出していること。
この味を世に出せるのは、彼独りだと言うこと。
この味は、彼が自らの職人としての経験でたどり着いたということ。
つまり、「深いとは、あるべき味わいが、ここに姿を顕した」ということ。
何故なら、「深くで眠っていたものには、人は気付かない」から。
その、「深くで眠っている味わいを、この世にあらしめたのは」
「その深さに覚醒し、その深さを追究した彼がいた」からだ。
彼が、居なかったならば、この担々麺は味わえなかったということ。
深い味には、これだけの物語が存在すること。
だから、私が深い味と出会うと、そのスープが麺が語りかけて来ること。
この担々麺には、深い味と共に、深い深い物語が隠されていること。
その深くに隠れ、眠っていた財宝のような味わいを、
彼が発掘し、発見し、ここに担々麺として光を当てたこと。
深さとは、そこにあるものだけが、感じさせるものだ。
東区ボーイズの歌は、上手くはなくても、深い歌だ。
深いとは、きっとその奥に在るものと棚がっていると感じられるものなんだな。
上手くは表現できないが。
深いものに出会う時、ある意味では、信ずべきものそのものと、
私は、出会っているのだと、今、ここで感じた。
深いところに存在し、日常を生きる私が気付かず、通り過ぎるこの時間に中に、
本当は、深いものからの呼びかけや、問いかけがある。
きっとその顕れを味わわせてくれるものだけが、
「深い」と、言われるものなんだ。
「顕れを生きる」「顕れで在る」
東区オールドボーイズの歌声も、
太威の担々麺も、
その顕れであるから、深いと感じられるのだ。-
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