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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2018/02/04 06:50:30

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    ペリカンの食パンの味を

    「74歳のペリカンはパンを売る」
    このおかしな題名からはどんな映画かは想像はできない。
    でも、やっぱり映画は、観るものだ。
    久しぶりの、あの「人生フルーツ」に出会った時以来の感動を味わった。
    最後のテロップの言葉に、不思議と涙が流れた。
    ああ、私の自分が感動しているなぁと、
    その涙を味わいつつ、このペリカンのパンの魂を味わった。

    食パンとロールパンだけを作るパン屋さんだ。
    浅草の、小さな小さなパン屋さんだ。
    頑固一徹に、たった二つのパンだけで、この町で生き続けている。
    どうしてなのか。
    その問いをもってパン屋さんを訪れる。

    「美味しいというパンでもないよ。普通の味だよ。」
    「でも食べたくなって、週に2回は買いに来るよ。」
    「このパンは、創った人の想いが語りかけて来るパンだよ。」

    何だろうね。
    美味しいものは、身体が知っているんだな。
    それは、身体が欲しがって、食べると喜ぶ味でもあるな。
    では、どうしてこんなに美味しいものが創られるのか。

    ペリカンの食パンは、74年前に、
    喫茶店への卸販売から始まった。
    そのもっちりとした食感と、程よい甘さと、そして食感の心地よさと、
    それを食べたお客にしみじみと味わわせられる食パンでもあった。
    「うちのトーストサンドは、このパンじゃなければできないんだよ。」
    「このパンの時は、バターは塗るものじゃなくて、乗せるもの。」
    そのパンの味に驚いたお客が、ペリカンを訪れる。
    だんだん小売りも盛んになってきた。

    でも、他に店を出さない。デパートに出店しない。
    自分たちが心を込めて創られる数だけを、
    毎日毎日丹精込めて作る。

    「私は、職人と言う言葉が好きじゃありません。」
    「職人である前に、人間ですからね。」
    「パンは、人にしか作れないんですよ。」
    「その日の気温や、湿度、粉の塩梅、それを機械やロボットはできませんよ。」
    「私は、先代から、そのことをしっかりと教えられました。」
    「40年もこの仕事をして来ても、毎日が挑戦です。」
    「この仕事を続けられて、本当に幸せでした。」
    それは、このパン作りの魂でもある名木さんの言葉だ。

    「変わらないから、いいんですね。」
    「他の店は、どんどん新しいものを開発する。いろいろ商品を並べる。」
    「どんどん変わって行くものがあれば、何も変わらないものがある。」
    「でも、変わらないから、今は、全ての店を先行していますね。」
    「どんなに頑張っても新規や歴史の浅い店は、ペリカンさんにかないません。」
    「変わらずにいられるということは、本物の味だということです。」
    経営コンサルタントのこの話も深い話だった。

    「私は、一つの歯車にすぎませんと、言う人がいますね。」
    「でもね、このペリカンさんの機械には何千と言う部品があります。」
    「私は、メンテナンスを任されて分かったんです。」
    「それは、どんなにちっちゃな歯車でも、その一つの調子がおかしかったら」
    「この大きな機械が回らないということです。」

    「私は、先代から教えられたことがあります。」
    「仕事は自分のためにするとばかり思っていましたが、そうではないんですね。」
    「仕事は、人のためにしているんです。私は、ペリカンさんのためにしている。」
    「するとね、こんなに楽しいことはないように感じます。」
    ペリカンのパン作りの機械のメンテナンスの親父さん。

    「何を乗せても美味しいんですよね。」
    「それは、このパンが主張していないからかな。」
    滋味で、目立たない、そんな素朴な味なのに、
    その味を、ずっとずっと食べ続けた浅草のご近所の人たちにとって、
    その味は、母の味となっている。
    そして、身体がその味を求め、パンはどうしてもペリカンのパンだと、
    予約をしてまでも買いに来る。

    「このパンは、作る人。売っている人。このお店の雰囲気。」
    「そして、特に美味しいとも言えないが、どうしても食べたくなる味。」
    「本当にそんな本物の想いがつまっているパンなんです。」
    とは、哲学者のような中年親父。

    「お客様は、神様ですよね。」
    「だって、どんなに美味しいパンを作っても、買ってもらえなかったら」
    「それは、ただのゴミになります。」
    お客様に美味しかったよと言われるパンを作りたい。
    そして、その味が焼きあがった時の喜びは、作り手の妙に尽きると想う。
    仕事は、お客様のためにする。
    そのことを心を込めて74年間続けられたお店がここにある。

    「10の力があったら、100のものを作るのではなく、1つを作る。」
    最後のテロップには、この先代の言葉が写された。
    この言葉のままに、ペリカンのパンはある。

    食べてみたい。
    本当にこの映画を観ながらペリカンの食パンを食べたくなった。
    これも体験できる映画ではないだろうか。
    食パンならば、実現できる夢ではないか。
    さっそく帰りに支配人にそのことを提言した。

    「Iさん、ペリカンのパン、ここで売ってくださいよ」と。
    Iさんは、苦笑いだった。
    彼もそのことを考えていたが、売れ残ったらと辞めにしたそうだ。
    大丈夫です。
    限定20個 半斤6枚切り 輸送量を込々で、1個500円。
    これはもう値段ではないんだな。
    ペリカンの食パンを味わいながら、この言葉を味わう。

    つまり、魂には、魂のコトバを。
    身体には、ペリカンのパンを。
    魂と身体とは一体であることを、
    この食パンを食べながら味わってみる。

    Iさん、お願いしますよ。頼みますよ。やってください。おねげーーーだ。

    例えば、最終日限定でもいいです。
    映画を観た人だけへの特典でいいです。
    プレミアが付きます。
    そして、これを機会にシネウインドに、あの印刷店のように、
    毎日10個位の食パンを置くのです。
    それは、映画を観に来た人だけが、チケットを買った人だけが買えるパンです。

    ペリカンのポスターと、推薦文をはって置けば、
    飛ぶように売れること間違いなし。

    ああ、味わいたいよ。ペリカンの食パンの味。

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