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親父たちよ

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  • from: クマドンさん

    2018/04/23 14:55:06

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    高坪山への大縦走

    今日は、半日、家でじっとしている。
    何もしていないわけではないが、
    それでも何だかじっとしたまま、この時刻まで過ごした。
    天気がいいので、ウォーキングでもしようと思うが、
    やっぱり昨日の山の疲れが少々残っているようだ。

    リハビリのために山を再開した。
    これが、先日の弥彦山に続いての2回目の山登りだ。
    胎内観音の手前から尾根に取り付き、
    黒山城跡を過ぎ、
    高坪山に至るコースだった。
    1時間半から、2時間くらいだなの言葉に安心して登り始めた。

    まず、道を見失ってしまった。
    鉄塔の整備のための登山道に入ってしまった。
    そこから先には登山道はない。
    藪山を登るわけにもいかず、引き返すことにした。
    正規のルートは分岐の左手だった。
    道しるべの看板が、反対の右手の道に落ちていた。
    まず、この看板を正しく設置しなおした。

    急登の連続。
    ロープをしっかりと張っている。
    落ち葉を踏みしめ、滑る足にブレーキをかけながら踏ん張って登る。
    さすがに山城だ。
    この急坂を槍をもって攻め上るのは至難の業と感じた。
    倒木がやけに多かったので、
    Yさんと二人で、せっせとその倒木をどけて歩いた。

    こしあぶらがたくさん茂っていた。
    それを一つ一つ採りながらYさんは、登った。
    まだまだ若いワラビも、ひょこひょこと生えてはいたが、
    私にはかかわりないことでございした。
    私にとって、この登山は、リハビリ登山。
    とにかく、身体の声を聴きながら、最後尾をゆっくりとゆっくりと歩いた。

    3年間のブランクは大きかった。
    やっと腹筋がつながり、少し負荷のかかる運動もできるようになった。
    しかし、無理をしては、また裂けてしまうリスクがまだある。
    だから、身体を労わりながら、慎重に登った。
    2時間たった。
    まだ、コースの半分の距離だった。
    「うん?」と思って地図を見せてもらった。
    何とルートは延々と高坪山まで伸びていた。

    そして、誰一人他の登山者に出会っていないことにも気づいた。
    深い深い山なんだ。
    それも、やせ尾根で、両側はすっぱりと切り立っている。
    落ちたら、木にひっかからない限り、下まで転げ落ちるだろうなぁだった。
    足場をしっかりと確かめつつ、慎重に歩を進めた。

    そして、私は出会った。
    深い深いその山の途中に、
    神様のような雄大で、枝をぐんと伸ばしてそそり立っているブナたちに。
    きっと、これは蔵王権現の神木でもあったのだろう。
    他のブナたちは切られて薪にされても、
    この広い台地に立つブナたちは、
    その時代を生き抜き、今も神々しい輝きで立っていた。

    息を飲む。
    言葉が出ない。
    まさか、ここで、神様に出会うとは。
    やっぱり来てみるものだと感じた。
    そこまで3時間余りの行程だった。
    高坪山からは1時間だ。
    つまり、この深さと距離とが、このブナたちを生き延びさせていたのだった。
    そして、そのブナの姿を見た人は、
    きっと少ないと感じた。

    私は、そんな神様のようなブナの幹に手のひらをのせ、
    その気を感じるようにうつむいて、祈った。

    さてさて、二つの分岐を過ぎてやっと山頂にたどり着いた。
    何と4時間の行程だった。
    リハビリにしては・・・・。でも、自信はついた。
    「やれる」その手ごたえは大きかったな。

    山頂で、菊水一番搾り。帰りは、電車だ。
    本当に至福の時だった。
    山を再開する。
    その記念に、あの神々たちは私と出会ってくれた。
    あの幻のようなブナ林のことは、一生忘れないと今も感じている。

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